ことば1年(2018/9/4)

福西です。

一番最初に来たT君と、夏休みの話をしました。鳥取、水木しげるロード、ひるぜんに行ってきたそうです。

そのあと、みんなを待っている間、歳時記を見て次の一句をひねってくれました。

あげはちょううつくしいいろきれいだな Tokio

あげはちょうは夏の季語です。揚羽蝶とも、鳳蝶とも書きます。普通の蝶は春の季語なのですが、これは特別です。その特別さと夏休みとをかけて詠んでくれたのだと感じました。

あさがおのつぼみかぞえてはなをまつ Yosie(とお母さん)

夏休みに作ってくれた句です。中七の「つぼみかぞえて」に、Yちゃんがお母さんと一緒に指で一つ一つつぼみをおさえている映像が浮かびます。下の句の「はなをまつ」の言い切りに、俳句らしい切れがあります。あさがおは初秋(8月)の季語です。

あおぞらにおおきなどじょうみずのそこ Sui

夏休みに作ってくれた句です。「(あ)お」「おお」「どじょ(う)」「の」「そこ」。O音が気持ちよく連なって、大きく開けた口のような、広々としたイメージをかきたてます。それを実際に「おおきな」どじょうが受けて、響き合っています。(季語は、厳密には泥鰌鍋で夏の季語です)。「あおぞらに」ときて、「みずのそこ」。それを引き立てる「どじょう」。感無量の取り合わせです。

 

この日は、次の二つの句を紹介しました。

あめんぼと雨とあめんぼと雨と 湘子

胡桃二つころがりふたつ音違ふ 湘子

あめんぼは夏、胡桃は晩秋(10月)の季語です。一句目はどこで切るのか、クイズみたいですね。

残りの時間は、言葉さがしのプリントと、絵本を一つ読みました。