福西です。6月の「ラテン語の夕べ」の告知です。
『ギリシア・ローマ名言集』(柳沼重剛、岩波文庫)をテキストにした「ミニ講読」。
今回扱う予定の名言は、「ローマの部」の11~20です。
そのうち、ここでは、奇数番だけご紹介します。(日本語は柳沼訳)
11 abstulit clarum cita mors Achillem,
longa Tithonum minuit senectus.
早い死が輝かしいアキレウスを奪い,
長い老年がティトノスを憔悴させた.
─ホラティウス『詩集』2.16.29
13 sonat hic de nare canina litella.
ほれ,そう言うかたそばから,犬の字が鼻の穴から響いているではないか.
─ペルシウス『風刺詩』1.109
15 ‘O fortunati mercatores!’ gravis annis
miles ait, multo iam fractus membra labore.
contra mercator, navem iactantibus Austris,
‘Militia est potior. Quid enim? concurritur; horae
momento cita mors venit aut victoria laeta.’寄る年波の重さにあえぐ兵士が言う,「商人は幸せだ」.
長年のご奉公で,体にすっかりがたが来ているのだ.
反対に,南からの烈風に船ごともまれた商人が言う,
「兵役の方がましさ.どうしてかって? ちゃんばらしてさ,
勝って喜ぶか,死んじまうか,あっと言う間に決まるものな」.
─ホラティウス『風刺詩』1.1.4
17 lupus in fabula.
話の中の狼=噂をすれば影がさす.
─ことわざ
19 qua fata trahunt, retrahuntque, sequamur.
われらを運命がどこへ率い,どこへ連れ戻そうと,あとに従おう.
─ウェルギリウス『アエネイス』5.709(岡道男・高橋宏幸訳)
みなさまのお越しを、お待ちしています!
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山下です。
ご紹介をありがとうございます。
この本は薄くて軽くていつでも持ち運べます。
柳沼先生の解説が読み応えあります。
それに目を通していただいたうえで、文法的に何がどうなってこういう訳になるのかを解説します。
すでにラテン語をある程度学んだ人にはよい復習の機会になるでしょう。
腕に覚えのある方は当日までにじっくり予習されると勉強になります。
今学んでいる途中の人は、耳慣れない用語も出てくるかもしれませんが、最後まで文法を学び終わってから録画を見れば、「なるほどそういうことだったのか」と合点できるでしょう。
なによりラテン語の伝統的な「勉強の仕方」を丁寧にお伝えしたいと思います。