ことば4-5年 春学期の振り返り

ことば1年、ことば2-3年、ことば4-5年、西洋の児童文学を読むBを担当しております、加藤千佳です。

春学期が終わったので、それぞれの授業について振り返り、秋学期の予定についてもまとめています。

※よろしければ、こちらの記事もぜひご覧ください

ことば2-3年 春学期の振り返り (kitashirakawa.jp)

ことば1年 春学期の振り返り (kitashirakawa.jp))

今回は、特にことば4-5年のクラスについて、簡単ではありますが、私自身の感想も交えて綴っていきたいと思います。

〇読解

ことば3-4年に引き続いて、上橋菜穂子『獣の奏者』を読んでいます。じっくりと、しかしモリモリと読み進め、春学期中に第3巻(講談社、青い鳥文庫版)にまで到達しました。

『獣の奏者』は、主人公・エリンと、決して人に馴れないとされる「王獣」・リランとの深い絆を描いた物語です。春学期の授業では、エリンがリランと出会い、互いに絆を深めていくところまでを扱いました。受講生のFさんと感動を分かち合う中で、思わず涙しそうにもなりましたが、秋学期ではその暖かいムードから一転して、エリンとリラン、またその周囲の人々が、政治的思惑に巻き込まれ翻弄されていく様を追っていくことになります。

秋学期も、生徒の皆さんに問いを投げかけながら、じっくりと、深く読むことをお手伝いできればと思います。

〇短歌作り

昨年は俳句を詠んでもらったので、今年は少し難易度を上げて、短歌作りに挑戦してもらいました。受講生のFさんは、私が、『源氏物語』の中の愉快な和歌としてポロッとお伝えした、

「唐衣またからころもからころもかへすがへすもからころもなる」

という歌を気に入ってくれています。

更には、そのオマージュで、下のような、ユーモアあふれる作品も作ってくれました。

「バドミントンああバドミントンバドミントン毎日毎日バドミントン」

Fさんは、毎朝お母様とバドミントンをされているのだとか。

「唐衣……」の歌の意味も以前伝えていたので、つい「バドミントンばっかりで、うんざりしているの?」と聞くと、「そんなことないです、楽しいです」とのこと。

上の源氏の歌は、「いつもいつもあなたは変わり映えもせず「唐衣」とつけてきますよね」と詠み手を馬鹿にするような、うんざりしているような、投げやりなような意味をもっているわけですが、Fさんは、むしろ毎日の楽しい習慣を詠んでくれたようです。そう聞いてからFさんの歌を読み返してみると、確かに、源氏のそれとは全く違う雰囲気を持つ歌に見えてきて、二重で愉快に思いました。

秋は特に、山の学校の周辺が美しく色づく季節です。散策に出かけて、自然の情景についての歌も、たくさん詠んでもらいたいと思います。

〇交換日記

今年から、交換日記を取り入れています。交換日記の詳細は、冒頭でリンク付けした「ことば2-3年 春学期の振り返り」にまとめてありますので、よろしければご覧ください。

Fさんは、いつも日常に起こったことを、コミカルに楽しくまとめてくれるので、読むのが毎回楽しみです。私もお返事を書くときには「面白いことを言おう!」と意気込むのですが、果たしてうまくいっているでしょうか。

秋学期も続けていきたいと思います。