「山びこ通信」2017年度冬学期号より下記の記事を転載致します。
『ことば』(2〜3年)
担当 福西 亮馬
冬学期は俳句を基軸に取り組みました。芭蕉、一茶、蕪村など先人たちの句や、歳時記にある現代の句から、秋と冬のものを紹介しました。Rちゃんは「ほろほろとむかご落ちけり秋の雨 一茶」、Y君は「鬼ごつこ銀杏を踏みつかまりぬ 加藤瑠璃子」がお気入りだと教えてくれました。また字余りや字足らずのリズムについての理解を深めたり、『こども歳時記』(長谷川櫂監修、小学館)で季語の世界を眺望したりしました。
二人の生徒がいます。その一年間の自作の句が、あわせて百五十句になりました。俳句を作る時は、室内と外とを使い分け、実際その目で見た季節の移ろいや、生活で実感したことで発句してもらっています。それが昂じたのか、ある時「俳句マラソン」というものを生徒たちが考案しました。これは外の活動で、「俳句を書いて、走って、俳句を書いて、また走る」という、手と足を使ったマラソンでした。四月から振り返って、おそらく生徒たちが一番愉快だったのは、その取り組みだったでしょう。百五十句の中にはその時の俳句も含まれています。
音読では、『一休さん』(神宮輝夫、あかね書房)、『ポリーとはらぺこオオカミ』(ストー、掛川恭子訳、岩波書店)などのアンソロジーを読んでいます。今では一字一字ではなく、文ごとに意味を区切りながら読むことができるようになってきました。従って、ストーリーを追うことがますます楽しくなってきました。読点ごとに交代する「丸読み」もリズミカルで好きなようですが、一ページずつの交代でより長く読みたいという気持ちもあらわれています。読んだ後は、ストーリーを確認します。すると、生徒たちがよく覚えていることに感心します。
その他の取り組みでは、推理クイズ、なりたち漢字、書初めをしました。ここでは割愛しますが、山の学校のブログに記録していますのでそちらをご覧ください。
冬学期はあと数回ですが、はつらつとした今のやり取りを最後まで大事にしたいと思います。
くらくなってもみじが光るみたいだね Rin
はぎの葉は上に雨つぶのっている Yu
しょうじがねいたずらごっこでやぶれてる Rin
りゅうのたま目が中にあるふしぎだな Yu
バスケあとおふろ入って生きかえる Rin
夕やけとマラソンいっしょたのしいな Yu