かず6年

福西です。
12月の最後の授業は、次の問題をしました。

1/2
1/3, 2/3
1/4, 2/4, 3,4
1/5, 2/5, 3/5, 4/5
・・・
1/10, 2/10・・・9/10

を、小さいものから順に並べよ。ただし同じ値の数は分母の大きい方を省くこと。

U君に1時間かけて、その解答をホワイトボードに書いてもらいました。
(T君は残念ながらお休みでした)

flack1.jpg
(U君の力作)

たとえば、1/5と2/9だと、
1/5=9/45
2/9=10/45
となり、1/5 < 2/9だと分かります。 しかし問題は、この1/5と2/9のすき間が本当にないかを調べて埋め尽くすことにあります。3/10は? 1/7は? となると、思考が複雑になってきます。
U君の考え方は、「2~10までの分母を、すべて30240に通分すること」です。
この30240は、最小公倍数ではないですが、それに近い約数の積3×5×7×9×4×8を計算して出してくれました。

これによって、
1/2=15120/30240
1/3=10080/30240
2/3=20160/30240

とすべて表現し直し、分子の数で大小を判定して並べ直すことができました。

flack2.jpg
(分子だけ書き出しています)

30240と聞いて、もしエレガントな解答(たとえば問題集の裏の答)なら、もっと小さな数の2520にできると書いてあると思います。しかしあえてそれを言わずに、授業中はホワイトボードのU君の解答を見守りました。泥臭くても、途切れずにつながっている答を書けることの方が、解ききった時の自信の大きさを考えると、より優先的です。

こうして手に入れた答は、以下のようになりました。

(U君)
1/10, 1/9, 1/8, 1/7, 1/6, 1/5, 2/9, 1/4, 2/7, 1/3, 3/8, 2/5, 3/7, 4/9, 1/2 5/9, 4/7, 3/5, 5/8, 2/3, 7/10, 5/7, 7/9, 4/5, 5/6, 6/7, 7/8, 8/9, 9/10

U君、良くがんばりましたね。

ちなみに数学的な味付けとしては、これらの数字の並びは、a/b、c/dとすると、ad-bc=-1となっています。たとえば5/9と4/7では、

5×7=35
9×4=36
35-36=-1

となっていることが確かめられます。(上の答のどこの隣同士の数を取ってきても、そうなっています。ぜひお試しあれ^^)

U君は「フィボナッチみたいやなあ」と言っていました。

フィボナッチ数列も、1,1,2,3,5,8,13・・・を、1/1, 1/2, 2/3, 3/5, 5/8, 8/13・・・と並べると、隣同士の分数 a/b, c/dについて、ad-bc=±1になるという以前話したことを思い出してくれたからです。