今回は以前から要望のあった将棋を導入しました。将棋には今の子どもをも魅了する力があると同時に、思考力を鍛える格好の道具であると考えます。
実際に対局をしてもらうのが早いと思い、そうしました。二人ともすでに駒の動かし方などは知っていました。
序盤は歩の突き合いですが、両者とも駒損を恐れて慎重なスタートとなりました。一人の生徒は山の学校の将棋道場で教わったのか、「穴熊を作る」と意気込んでいました。それに対してもう一人の生徒は囲いを作らないままでした。振り返るとここが勝負の明暗を分けたポイントだったように思います。
中盤は互角の攻め合いでした。囲いを作らなかったほうの生徒は成り駒を活用して攻めていました。成り駒は金と同じ動きができるのに、相手に取られた場合は元の駒に戻るので得だということを考えていたようです。それに対してもう一人の生徒は受けに回る形でした。
成り駒を活用しつつも攻めあぐねている間に、受けていた生徒が角を成ることに成功しました。そこからその馬で王手を連続し、最終的には詰みの形にまで持っていきました。大駒を活用できたことが勝利の二つ目の理由でしょう。
二人ともルールに従い、合理的な手を打っていたので感心しました。さらに強くなろうと思えば詰め将棋をやるといった努力も必要になるでしょう。将棋には頭を使うところがたくさんあります。