授業の内容の前に、休み時間の光景から。
Kくんは前のかずの時間から来ているので、20分ほどの休み時間があります。そのときに本を読んでいたのです。話のあらすじも教えてくれました。2年前に初めて受け持ったときにはことば(国語)はあまり好きではないようだったので、自主的に本を読む姿に失礼ながら驚いてしまったのです。その本の内容は王国を救うために旅をするというゲームのような話で、大人が喜びそうなものではありませんが、1冊の本を読み切るということは立派でしょう。脱線ついでにもっと言うならば、テレビゲームなどでも文字を読んで考えるわけですし、「ことば」の観点からすると悪いものではありません。私も小さい頃は人並みにゲームもしたものです。もちろんゲームばかりでは困りますが、それはバランスの問題です。
さて、今回は悩ましい状況でどうすればよいかを考えて話し合うということをしました。例えば、無茶な乗り方をしたので親から自転車に乗るなと言われているときに、自転車に乗れば友だちとの約束を果たせるといった場合にどうするかといったような状況です。「モラルジレンマ」といって、道徳教育に活用されている方法のようです。春学期に「かちかち山」でうさぎとたぬきのどちらがより悪いかを考えてもらったときに盛り上がったのにヒントを得ました。
資料を読んでからしばらく読んでもらい、暫定的な結論を言ってもらってから、いくつか質問をしました。その質問で結論が変わることもあれば、変わらないこともありました。資料も小学校の低学年用から、実際の社会問題とほとんど変わらない中学生用まであるので、もう少し試してみます。
TVゲームの効用について、私はインベーダーゲームで撃沈した人間なので、発言権ゼロです。今のは洗練されているようですね。知識系の勉強(資格試験やセンター試験のような選択問題)対策には、じっさいゲームは有効でしょう。私も「ラテン語検定試験」主催者として、ラテン語の文法知識の勉強に、ゲームはおおいに有効だと思います。いちおうどんなのかリンク先をのせておきます。
http://aeneis.net/quiz/
逆に、ゲームにゆだねることのできない解釈のしかたの問題であるとか、じかに会って話した方が理解が進むと思われる内容などが、浮き彫りになります。
ゲームにせよインターネットにせよ、教える側がその長所も短所も知った上で、批判的に活用することが大事ですね。同じ意味で、紙でできた教科書を使った授業にしても、そのメリットだけでなく、デメリットも知っておく必要があると思います。