福西です。
紙芝居『くものいと』(芥川龍之介/原作、諸橋精光/画・脚本、すずき出版)を読みました。
犍陀多の話です。
画と脚本が原作の機微をそっくり伝えてくれており、1~2年生を相手に読みごたえがありました。
なぜ蜘蛛の糸が切れたのか、逆になぜ重みでは蜘蛛の糸が切れなかったのか。犍陀多はなぜ地獄の責め苦で力が出せないはずなのに登ることができたのか。
犍陀多が、糸の下に向かって「罪人ども!」と怒鳴るシーンがあります。その必死な形相からは、犍陀多が自分もまた罪人であることを完全に忘れているかのようでした。けれどもそれを読者は見ています。そのことに私自身がゾッとし、声に思わず熱が入りました。
俳句を4句紹介しました。
靴紐を結ぶ間も来る雪つぶて 汀女
雪の朝二の字二の字の下駄の跡 捨女
蒲団着て寝たる姿や東山 嵐雪
泥に降る雪うつくしや泥になる 軽舟
冬の句は以上で終わりとします。次回からは春の句を紹介します。
そのあと、以前覚えた句をおさらいしました。