小林です。
9月から金曜ことば3年のクラスを担当させていただいくことになりました。ご挨拶遅くなりましたがよろしくおねがいいたします。
このクラス担当できること私自身非常に楽しみにしていました。
小学生の頃、ちょうど3年生くらいだったと思うのですが、
父がもってきてくれた朗読テープ(宮沢賢治の童話だったり谷川俊太郎の詩の朗読)を聞きながら寝るのが好きで、その頃聞いたり読んだりしたものは、今でも懐かしく思い出します。
このクラスを担当するにあたって当時読んだり聞いたりしたものを
引っぱり出して来てまた色々考えました。
当時好きだった話、感動した話にあらためて感動します。
また当時は謎めいていたこと、理解できないでいた謎の音
——例えば「どんぐりと山猫」で山猫が書いた手紙の最後に響く
「ハイ(=拝)」——などが今になると腑に落ちたりもします。
当時は猫の名前だとばかり思って頭の中で話をふくらませて
いたことも含めて懐かしく思い出します。
クラスで何をしようかと色々考えましたが、
まずはこうした当時小学生だった自分にとって印象的
だったお話群を読んでみようと考えています。
「自分の趣味」に走っているようで恐縮ですが、
実際小学生の私に深い印象を与えたということで
或る意味「実証」もされているとも言えるかと思います。
先週金曜のはじめてのクラスでは、まず自己紹介をして、
こどもたちからも自己紹介してもらった後、
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」を読んでみました。
自分は子どもながらに、生き物を無闇に殺したり、
自分のことばかり考えるのはよくないなあと当時思っていたように
記憶していますが、素直な頃に、素直にこういう話に触れていて
良かったと思っています。
読んで聞かせたところ、びっくりするくらい集中して聞いてくれて、
実際おどろきました。子どもたちは色々なお話をどんどん吸収していく時期にあるようですし、次回も本読んで聞かせてみたいと思います。挿絵に興味をひかれていた同じく芥川の「杜子春」の予定です。
前回も少し声に出して読んでもらいましたが、別に簡単なお話を朗読してもらおうとも思います。
秋学期を通じて、お話を「聞く」ことの他に「読む」あるいは「書く」ことも漸次取り入れていくつもりです。
その他、詩やことばあそびうたなどでことばの音やリズムに親しんでもらおうと、こちらも楽しみに計画しています。
毎回というわけにはいかないかもしれませんが、今後も折々に
クラスの報告していきたいと思います。
どうぞよろしくおねがいします。
小林哲也
>読んで聞かせたところ、びっくりするくらい集中して聞いてくれて、
私も同じ気持ちになることがあります。
日頃、大人の意識の中だけで生きていると、このような純粋な読み聞かせの体験を純粋に受け止める純粋な子どもの意識をイメージしにくいものです。自分の中にある素直な気持ち、純粋な気持ちにピントをあわせると、子どもたちと意思疎通がうまくいきます。
先生が、ご自身の子ども時代の体験を思い出し、それを再現しようと工夫されている方針は、そのような意味で、大賛成で
あります。