『赤毛のアン』を読む(西洋の児童文学を読むB、2022/9/2)(その1)

福西です。

『赤毛のアン』(モンゴメリ、村岡花子訳、新潮社)を読んでいます。

p77~86、第6章「マリラの決心」を読みました。

マリラがアンを連れて来たことで、スペンサー夫人は驚きます。

マリラが事情を説明すると、スペンサー夫人は「自分は女の子だと聞いた」と言い張ります。マリラがロバートに頼み、ロバートが娘のナンシーを通じて、スペンサー夫人に伝言したこと。その間、まちがって伝わったことが判明します。

電話のない時代、しかも田舎なので、人づてに頼むのはよくあることです。

すんだことで争っても仕方がないと思ったマリラは、直接頼まなかった自分が悪かった、と折れます。

申し訳ないと思ったスペンサー夫人は、とっさの思いつきで、ブリュエット夫人を呼びとめます。子守をほしがっていたブリュエット夫人と、アンを引き合わせます。

ブリュエット夫人はアンをじろじろと品定めした末、「働かざる者、食うべからずだよ」(I’ll expect you to earn your keep)と厳しく言い渡した末、引き取ることを承知します。アンは青ざめます。

マリラは、ここでアンを見捨てれば、「生涯の最後の日まで」夢見が悪くなると感じ、いったん連れ帰ることを決心します。「マシューが気に入っているから」と。

(その2)へ続きます。