福西です。
『リンゴ畑のマーティン・ピピン』(エリナー・ファージョン、石井桃子訳)、第4話「オープン・ウィンキンズ」を読んでいます。
読んだ個所は、下巻p79-88です。
マーガレットが死んだのは、花嫁衣装に彼女が仕込んだ(呪術的な)「毒」のせいでした。
彼女は、自分以外の女がホブと結婚することに対し、呪いをかけたのです。
しかし、その結婚相手が、実は自分でした。
マーガレットの言う、「私の中に悪がいる(evil in me)」は、謙遜や比喩ではなくて、文字通り、「悪事」を働いたことをさしていたのでした。自制する自分と、衝動に駆られる自分とが、心の中で戦い、前者が負けたのでした。
そして、マーガレットは「婚礼衣装をかぶると、死ぬこと」を知っていて、それをかぶったのでした。以前のマーガレットのセリフ、
I was she!
は、「花嫁は私だった」の他に「死ぬのは私だった」という含みがあったのです。
つまり、
I will never be she!
は、「(死ぬ)私は花嫁には決してなれないだろう」という意味だったのです。さて、ここからどうやってハッピーエンドにつながるのでしょうか。
しかし、これ以上の説明は野暮というもの。
何にせよ、マーティン・ピピンの物語は、6人のミルクメイド(特にジェジカ)の心を打ったようでした。