福西です。
(その1)の続きです。
ホブは、弟たちのシャツから(魔法の)糸を解くように、マーガレットに命じます。そのかわり、自分のシャツを好きにしてよい、と。
そして、仕立屋としてのマーガレットに、服を依頼します。
「いつかわたしの妻となるひとのために、白い服をつくってもらいたい。」
と。それはマーガレットにとって、恋人の頼みではなく、客との商売上の契約だと思われたことでしょう。
ホブはその服を「明日の夜に取りに来る」と告げて、オープン・ウィンキンズを出ます。
領地に戻ると、すっかり元通りになった弟たちがホブを出迎えます。
ライオネルは幸福に、ヒューは勇敢に、ヘリオットは優雅に。そしてアンブローズは賢明に。
ホブは、マーガレットが約束を守ってくれたのだと悟ります。
アンブローズ以外の弟たちはオープン・ウィンキンズのことを忘れていますが、アンブローズは覚えていました。
「あのひとが、あなたにあたえたものは、何です。」
そのアンブローズの問いには答えず、ホブはただ一人で、自分の庭へ向かいます。
すると、そこには金色のバラが咲いていました。ホブの念願がかなったのです。
けれどもその花の奥に、黒い蛇がとぐろを巻いていました。
ホブはそれを見て、喜びます。
そして、マーガレットのいる森へと、急いで戻ります。
金髪の中に一筋の黒髪を隠す、愛しい人のもとへ。
このあとの展開は、だいたい予想がつくと思います。
あの注文した白い服は、誰のためのものか、と。
しかし、そこで、さらに読者を裏切るどんでん返しが待っています。
それは次回のお楽しみに。