ことば5~6年(2018/10/11)

福西です。

『竜退治の騎士になる方法』(岡田淳、偕成社)を読了しました。

今回読んだ本には、感情移入しやすい部分が多くありました。ときに声音を作って生徒たちが読んでくれたので、私も楽しくなりました。クラスで本を読む意義の一つは、朗読にあると思います。そのことをしみじみと覚えました。

ところで、大佛次郎のエッセイに、こんな言葉があります。

本は、際限なくひろい世界のことを教えてくれる。私は自分が子供の時の夏休みの日々をなつかしく思うのとともに、今日の少年たちが少しでも本を読む習慣を養ってくれると、よいと思う。必ずしも良書ばかりを読めとは言わない。悪いと判るためには悪い本でもよい。とにかく読む癖を、子供の時につけることである。テレビは判断の余裕を子供に与えない。考える余地を与えず否応なく見せてしまうものだが、本は自分で考えなければ読むことにはならない。その努力が習慣となるのが、その時限りでなく未来の芽を養うことではないか?──『夏休み』(『今日の雪』(大佛次郎、光風社書店)所納)

また、別の個所ではこうあります。

社会人となり年を取ってから、あなたは昔、若い時に本を読んだことを思い出して後悔することは決してない。──『三つ子の魂』(『今日の雪』(大佛次郎、光風社書店)所納)

 

「後悔することは決してない」──。それを励ましの言葉と受け取り、私も生徒たちの読書体験を応援できるよう、工夫したいと思います。