ことば3~4年(2018/10/3)

福西です。

この日は『ブルドッグたんていときえたほし』(谷口智則作、文溪堂)を読みました。

ブルドッグ探偵は「夜空の星が消える」という事件を新聞で知ります。最初は自分には無関係だと思っていたのですが、その彼宛てに、「星を探してほしい」という差出人不明の手紙が届きます。不思議に思って、ブルドッグ探偵は聞き込みを始めます。

そして、落ちた星たちが弱々しく避難している場所を見つけます。星たちは、「自分たちは人の願いをかなえる力を持っている。かなえると同時に空に帰ることができるが、自分たちだけではそれができない」と訴えます。

そこでブルドッグ探偵は、町のあちこちに、また聞き込みをした動物のところを回って、まるで花のように星を植えていきます。この「行きて帰る」後半が、探偵の枠を外れた生身の行動として、印象的でした。

ブルドッグ探偵自身もおしまいにささやかな願いを一つ持ち、そのことで星が一つ上っていきます。

最初の手紙の差出人については、作中では結局伏せられたままになっています。けれども絵がそれを示唆しているように思いました。生徒たちも「〇〇だ。だって、どのページにも、それがいたから」「〇〇は星の友達。だから、〇〇が『友達を探してほしい』ってブルドッグ探偵に頼んだんだと思う」と言っていました。