ことば5~6年

 福西です。
 2回目の授業では、開口一番「俳句を作りたい!」という生徒たちの希望があり、俳句をしました。

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 秋晴れのいい時期なので、山の上にある幼稚園の庭に出かけて、そこからの景色を見ながら30分俳句を作りました。こういう時は授業が別のことに発散してしまいがちなのですが、作ってもらった俳句を見ると、さすがこちらの期待に応えてくれるところが高学年だと感心しました。

山の上 空気がとても 気持ちいいな

 これはMちゃんが最初にしたためた俳句です。素直で、みんなの気持ちを代弁してくれているように感じました。

葉っぱをね 集めてふむと 音がする

 これもMちゃんの俳句です。「集めて踏むと」としているところが能動的で、季節を自分からつかまえに行っているように感じました。頭の中でその情景が動いて見えてきます。五七五のリズムにも上手に乗っています。

赤とんぼ なんで飛ばない 秋なのに

 これはH君の俳句です。その前に作った俳句に、今年の猛暑についてのものがありました。この日は蝶は飛んでいたのですが、秋の季語が見つからない焦燥感をむしろその題材にしてくれています。また「あ」の音で韻を踏んでいるのがいいと思いました。

だんだんと 減っていくのは 虫の声

 こちらはEちゃんです。「だんだんと」を最初に置いて、何がそうなのかな?と期待を持たせるところが上手です。次の句もEちゃん作です。

春眠に 熱中症で つらい夏

 「春眠」「熱中症」と、音読みの単語を二つ並べているところが、漢文のように骨太です。また最後の「つらい夏」というしめくくりがいいですね。どうやらEちゃんはこの夏に本を20冊近くも読んだそうで、もしかすると、そこから無意識に言葉の栄養を吸って、それがセンスとなって現れているのではないかなと感じました。(本読みのことで「すごいね」と言うと、「だって面白いもん」という返事が返ってきました^^(正直去年にはなかった姿で、それが私も嬉しいです))

 そのあと教室に戻ってきて、先週の『竜退治の騎士になる方法』の続きを読み、最後までたどりつきました。二週間で読み終えたのは、このクラスでは初めてのことで、いつもとは違う達成感がありました。
 そして去年から数えると、『星モグラサンジの冒険』『ポアンアンのにおい』『二分間の冒険』、そして今日の作品と、四つ読み終えたことになります。一つ目の時はもちろん嬉しかったには違いないのですが、最近ではそれが「厚み」をもって蓄積されていくことに、新しい楽しさを感じつつあるようです。
 実を言うと、上の四作品については、作者はどれも岡田淳という同じ人です。これには半分私の意図があって(最初はそうではなかったのですが、二作目あたりから手ごたえを感じ、ぜひやってみたいと思いました)、「多読か精読か」という議論がある中で、それに対するもう一つのアプローチとして、「一人の作家の全集を読むような一点多読」を、と考えた結果です。(何も権威付けするつもりはないのですが、確か小林秀雄がそのようなことを言っていたような気がします。それが結局は偏っているようでいて、読書の楽しみを掴む「きっかけ」だったりするのではないかと思うのですが、どうでしょうか)

 そのようなことで、このクラスで「一点多読」がどこまで可能か(生徒たちが面白いと思い続けられるところまで)挑戦してみて、それを小学生時代の「おみやげ」にしてもらえればと考えています。