担当の梁川です。
今日は体験のMasa君をお迎えしてのクラスでした。
その日に描きたいものが決まっている場合は、迷いなくそれを描いてもらいたいと思ったので、まずは訊ねましたが、少し緊張もあるようで、首をかしげながらどうしようかと考えている様子でした。
そこで、前回からMadoちゃんと取り組んでいることを紹介し、チャレンジしてみないかと誘いました。
目には見えないものに、色や形をあたえて、「見えないものを描く」取組み。作例をいくつか紹介しながら説明し、主旨を掴んでもらえたようでした。少し難しそう、と言って、Masa君は自身がなさそうでしたが、とにかくやってみようと声をかけ、まずは「準備運動」として、「元気な線」「元気のない弱々しい線」を描いてもらいました。
そのあと早速、実践として、次のテーマで絵を描いていきました。
1. たのしい
2.かなしみ
3.そよそよ
生徒さんは向かい合わせに座っていたので、描き始めてすぐ、お互いの手元が気になってしまうようでした。
「じゃあ、内緒にしておいて、あとで見せ合いっこしよう」ということで二人の間に画板でついたてをし、描き終わったものは互いに見えないよう、席の後ろへ次々と重ねていきました。
3.を描き終えたあと、Masa君が、ひそひそ声で「先生…」と耳打ちして、こう伝えてくれました。
「『かっこいい』を描いてみてもいい?・・・ロボット。」
私は内心「この時を待っていた!」と嬉しい気持ちでした。
「是非描いてね! じゃあ、4. はそれぞれがテーマを決めて描いて、後でどう感じるか言い合おう!」
ということで、Madoちゃんも4.つめのテーマを自分で決めて描きました。
最後、5つ目は、今までに試したことがない、あるものを描くことに挑戦してもらいました。
二人に目を閉じてもらい、お香の入った小さな容器を鼻に近づけました。さて、この匂いは、どんな色でしょうか、どんな形でしょうか。
残り時間も少なく、5つ目は少し難しかったようですが、Madoちゃんが描いてくれました。
こんなことをみんなでしているうちに、あっという間に今日の時間も過ぎていき、最後にお互いの絵を順番に見せ合いながら、感想を述べ合って終わりました。
「自分はこう感じたのだ」と胸を張って言えること。「へぇ、人はこう感じるんだ…!」という発見。
こうしたコミュニケーションが、絵と向き合う姿勢、すなわち、絵を通して自分自身と向き合い、他人と向き合う姿勢、尊重しあう心を培うことに役立つのではないかと考えています。