春学期初回の記録。
新1年生のKaちゃんをお迎えし、3人でのスタートとなりました。
図工の時間も始まったことでしょう。
小学校の図工の時間と、このクラスで過ごす時間には、ひとつ大きな違いがあります。それは、まっさらのスケッチブックに一枚一枚絵を描いていくのと同じで、どのような課題を行うかも、みんなで決めながら進んでいくということです。(みんなの声をもとに目標を立てて達成を目指せるよう舵を取っていくのが私の役割です)
大まかにクラス説明をしたあと、とくに要望もなく、初回でしたので、それに、せっかくのよい天気なので、「そとでえがこう」というテーマで園庭へいきました。
最初はジャングルグローブのところに集まって、色々な話をしました。その中で子どもたちのことばの中から「絵がうまい」というワードがでましたので、「絵がうまい」とは、どういうことなのか、みなさんに問いかけながら考えてもらいました。
「自分が、これでよし、と思える絵が、そういう絵(うまく描けた絵)だと思う」と、1年生のKaちゃんが答えてくれました。
名答だと思います。作品がうまくいっているかどうかは作者が決める、つまり、作者が満足していること。ここに大きな意味があると思います。
「よく『似ている』ときに、『うまい』って言われる」とYちゃんが答えてくれました。
これも、その通りだと思います。つまり、あるものが、あるものらしく見える絵、というものが「うまい」といって褒められがちです。でも、ここで「大事なことなので」とみんなに前置きして話しました。
「うまい」絵だけが、いい絵なのか、ということです。たとえば、ライオンを描く。いかにもライオンに見える絵が褒められる。では、そうではない絵はペケ(✗)なのか。◯か✗なのでしょうか。絵とはそういうものでしょうか。
もしクラスに30人いたら、30人の異なる絵があって、それぞれによさがあります。かならず良さがあります。
みんなには、それを見つけられる人になってほしい。そういう人が描く絵はきっと素敵だし、そういう人は、みんなからも自分のいいところを教えてもらえるはずです。
そのような話を伝えました。
勿論、絵が「うまい」と言われることは、素直に喜び、自信にしてよいことだとも伝えました。
そのあとも語らいながら、鳥をさがしたり、虫を探したりしました。そして、モチーフを決めかねているみんなに、満を持して「巨大タケノコ」を紹介しました。(月曜のしぜんクラスで採れたもの。Yちゃんが描いてくれました)
ふと日向の地面にとまって羽を広げている蝶や、高く飛ぶツバメ、生まれたての蜘蛛の子たち(ふっと息を吹きかけると、まさに「蜘蛛の子を散らすように」の通り、ざわっと広がりました)など、一緒になって様々な発見をしました。
描き切るところまで時間のなかで辿り着かなかったひともいましたが、みんなの声を聞き、沢山語り合えたことがよかったです。
そのかいあって、最後に「次はこんな課題をしよう!」という方向性が決まりました。みんなも声を合わせて「それしよう!」となりました。
次回もたのしみです。
(かいが担当 梁川)