担当の梁川です。
A(火曜)クラスはこの1年間の締めくくりの日でした。
4年のKai君、1年のHatsuちゃん、遠方へ越されるSojyu君など、この日でクラス卒業となる生徒さんもいて、私もみんなもいつもに増して意気込んでいました。
Sojyu君は前回のクラスで、小学校のクラスのみんなに自作漫画をプレゼントすることを思い立ち、持ち前の「勢い」を爆発させて描ききりました。
表紙にはタイトル『まんがかけるかな? 〜とくべつかきおろし話』の他に、「いままで3年間ありがとうございました!!!」のメッセージ、そして、あとで直筆サインを書き込む空欄が設けられています。
描きながら、
「センセイ!びっくりした時の表情してみて!」
「センセイ!転ぶ瞬間のポーズ、してみて!」
などと彼が言うたびに、私もモデルに協力し、ペン入れ、ホワイト、ペン入れ、ホワイト・・・を繰り返しつつ、13ページ(表紙含む)の作品が完成しました。
Hatsuちゃんは、「今、来る時ね、竹やぶの中で、2羽の鳥がお話してたよ!」と、教室に来るなり目を輝かせています。
「センセイ、この前の図鑑は??」
「もしかして、この前の鳥?」
「ううん、違う。」(つい先週、しぜんクラスで仕掛けた餌台に野鳥が来ているのを観察するのに成功したところでした。)
そして、しばらく図鑑とにらめっこしたのち、
「う〜ん、ないなぁ・・・、もう、覚えているうちに描く!」
と言って、記憶を頼りに描ききりました。出来上がった絵はとても生き生きしていて、こうした出会いやときめきとの結びつきを改めて大切だと感じました。
Kai君は、2年がかりの大作にいよいよ一旦終止符を打ちます。彼が書いた原稿を、私がタイプしつつ気付いた点を伝え、それを元にまた加筆修正をする、そうした校正作業を5回ほど経て、ついに最期の校正作業を終えました。
『追人活話(ついじんかつわ)』
澤田 清正 著
鎌倉時代後期、今の東京にぞくする父島に「二じょう半じごく」とよばれるろうやがあった。「そこに4年半いると死ぬ」といわれていた。
そのろうやに6年半いた男がいた。大和の国生まれでのちの宮津丹後守加賀郎。鎌倉時代後期、大和しゅうをけっせいした、天皇がわの男だ。……
こんな書き出しで始まる架空の歴史小説、主人公「加賀郎」の苦難に満ちた波乱万丈の生涯が、抑揚ゆたかに描かれています。別紙で設定書(あらすじ)や登場人物の家系図も書きながら描いた苦心作。彼の歴史に対する並々ならぬ愛着が痛いほどに伝わってきて、そのたくましい想像力に脱帽しました。
また、主要登場物の肖像画も描きました。作者の許可を得たので、近日全文はウェブログにてご紹介したいと思います。
クラスののこり30分に、Madoちゃんからリクエストのあった、秋の終わりにした課題「音楽を描く」にみんなで再挑戦しました(Sojyu君はその傍らで漫画を描ききりました)。「やったーーー!」と飛び上がるMadoちゃん。
「センセイ、ここで描きたい!」と言って、Kai君がホワイトボードの前、床においたスピーカーの真ん前まで来て、床に画用紙を広げました。余すところなく音を拾おうと言わんばかりの、その前向きな気持ちが伝わってきてすごく嬉しかったです。(そして、1年生達も自然と前に出てきました。)
「センセイ、あれもやりたかったなぁ〜、『当てる』やつ」とKai君。目には見えない「きもち」を色や形で表現する課題のことです。(そして、互いの絵を見て、何だろう…?などと言い合ったりします。)私自身も、あと2時間でも3時間でも欲しかった気持ちですが、みんな何かをやり切って終われた、密度の濃い時間だったと思います。
今年度は、これまでのように会場(教室)に直に作品を展示する作品展を、講師都合により残念ながら開けないため、1年間のダイジェストを「第8回 かいがクラス作品展 on weblog」という形で、今月末を目処に掲載したいと考えております。皆様宜しくお願い致します。
この1年間も有難うございました。