0223 山の学校ゼミ(倫理)

浅野です。

 

前回のウィトゲンシュタインから今回はポパーを読みました。

 

この二人と言えば「火かき棒事件」という因縁があります。確かにこの二人の思想は相性が悪そうです。

 

ポパーのキーワードは「反証可能性」ですので、ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』のような演繹的で反証の余地がない体系が許せなかったのでしょう。もっとも、ウィトゲンシュタインの『哲学探究』では自ら『論理哲学論考』が不十分だったことを認めているので、両立できないこともないかもしれません。

 

ポパーの「反証可能性」や「開かれた社会」というのは、絶対的な一つの基準(真理)を認めない一方で、何でもありだと開きなるのでもなく、少しずつでもよりよいものを追求するのだという姿勢です。『開かれた社会とその敵』ではそのあたりも含めて丁寧に論じられています。