A君の絵本

福西です。

01 02

「ことば1~2年A」クラスのA君(1年生)が、お家で描いたという絵本を、クラスでも見せに来てくれました。

見ると、「白無地」の中に、彼の「表現」がぎっしり詰まっていました。

めくっても、めくっても、A君が出てきました。

文からも、A君の口調そのままが再生されてきました。

絵も、すべて彼の力で仕上げられたものでした。

32ページほどある白紙。

最後の方を白紙で終わらせることは、よくあることです。

けれども彼の作品は、そうではありませんでした。

すべてのページを使い切った上で、物語を完結させています。

この「完結させる」ということは、やってみれば分かることですが、大人でも、並大抵の精神力でできることではありません。

この作品が、1年生の手によってできていることに、私は正直、目をこする思いでした。

彼の着想、構想、貫徹力。どれもに脱帽です。

かいているうちに、後から後から湧いてくるもの。

きっと、A君にとって、この絵本にあるような形式が、「ことば」なのでしょう。

外から内へとやって来たもの。内から外へと出ていくもの。

この絵本に出てきた「愛すべき」妖怪たちのように、

ぜひこれからも、その奔流を大事にしてください。