高木です。
今日は谷川俊太郎の「誰もしらない」を読みました。
お星さまひとつ プッチンともいで
こんがりやいて いそいでたべて
おなかこわした オコソトノ ホ
だれもしらない ここだけのはなし
とうちゃんのぼうし 空とぶ円ばん
みかづきめがけ 空へなげたら
かえってこない エケセテネ ヘ
だれもしらない ここだけのはなし
としよりのみみず やつでの下で
すうじのおどり そっとしゅくだい
おしえてくれた ウクスツヌ フ
だれもしらない ここだけのはなし
でたらめのことば ひとりごといって
うしろをみたら ひとくい土人
わらって立ってた イキシチニ ヒ
だれもしらない ここだけのはなし
最初はみんなで、次は私も含めてひとりひとり、元気に朗読できました。「オコソトノ ◯ ホ」と、私が一拍の休符を強調すると、みんなも楽しそうにリズムをとっていました。
「なんで『ここだけのはなし』なん?」と内容を知りたがったので、内緒の理由をみんなで考えて、それを絵に描いてもらいました。帽子をなくして「とおちゃん」に怒られているところや、「ひとくい土人」を喚び出す「でたらめのことば」(=呪文)の文章など、詩に表れていないことも想像してくれました。R君が「しなはのけだここいならしもれだ」と書きながらひとりごとを言ったとき、「あ、後ろに土人がおる」と私が言うと、すぐに後を振り向いて、壁の少し汚れた部分を見て「これ、土人がさわったあとかな」と笑っていました。
絵本は、エイドリアン・アダムズの『魔女たちのハロウィーン』と、先週も読んだ磯良一の『飛行機にのって』を読みました。『飛行機にのって』はみんなのリクエストで、特に気に入ってくれたようです。同じ内容で退屈しないかな、というこちらの心配もまったく無用でした。小鼠たちが乗っていた複葉機は、実は大型航空機の中を飛んでいた、ということに今週になってY君がはじめて気づいたときには(私も気づいていませんでした)、みんな大喜びでした。
私は去年まで俳句一本で授業をしていましたが、なるほど、谷川俊太郎の詩は、子どもたちにとって、親しみの持てるテキストですね。イメージを絵にするという展開も、いずれはイメージを文字に直す前段階としてみても意義がありますし、なにより、子どもたちにとって、表現することは楽しく自然なことであるという意識を育てることに結びつくと思います。