高木です。
今日の詩は、金子みすゞの「わらい」でした。
わらい
それはきれいな薔薇(ばら)いろで、
芥子(けし)つぶよりかちいさくて、
こぼれて土に落ちたとき、
ぱっと花火がはじけるように、
おおきな花がひらくのよ。
もしも泪(なみだ)がこぼれるように、
こんな笑いがこぼれたら、
どんなに、どんなに、きれいでしょう。
まるで子どもたちの“わらい”のようですね。それは心の底から楽しそうで、ころころと純粋で、花のようにきれいです。「わらい」というタイトルが自然なわらいを誘い、子どもたちはとても楽しそうに詩を朗読し、また筆写してくれました。もちろん「楽しさ」が「ふざけ」になってはいけません。しかし、楽しさのなかで言葉に接した記憶は、あんがい子どもたちの心にのこって、言葉に親しむ土壌になると思います。
絵本は、以前から読んでいる『魔女たちのあさ』と、新しく『そらとぶテーブル』(作・絵/佐々木マキ)を加えた、2冊を読みました。『魔女たちのあさ』は、子どもたちがいつもリクエストしてくれます。何度も読んでいるので、ページをめくる前に試しに「次はどうだった?」ときいてみると、みんなけっこう覚えてくれています。
『そらとぶテーブル』のほうは、村上春樹との共著や表紙の絵で有名な佐々木マキさんらしい、独特の世界が展開されていました。印象的で面白い絵本です。子どもたちはその世界に引き込まれ、非常に楽しそうでした。この本も、次回からのリクエスト候補になりそうです。
>もしも泪(なみだ)がこぼれるように、
こんな笑いがこぼれたら、
どんなに、どんなに、きれいでしょう。
読んでいて、悲しみも喜びも根っこは同じだと感じました。
なみだの漢字を「泪」とするのもハッとさせられました。
ふざけた喜びはないように、悲しみにもいろいろあることなどを
ぼんやり考えました。子どもたちとその場にいても、
きっと深い感動を覚えただろうと思いました。