本題に入る前に前回プリントの補足と訂正をさせてください。
②のwildest chanceは「荒れ果てた可能性」と直訳しておりましたが「途方もない可能性」くらいのほうがまだましです。既存の日本語訳ではwildに相当する訳がありませんでした。自然な翻訳という意味では必ずしも全ての語を訳す必要はないのかと新鮮な発見をしました。
③のround a dark bend in the tunnelは「トンネルの暗いカーブあたりを」かもしれませんが、「トンネルの暗いカーブを」と、bendをカーブの内側で(a)roundをその周囲と考えればわざわざ「あたり」と訳す必要もないかもしれません
トム・リドルはハリーと話がしたかったと言います。それでハリーが日記を拾ったときに、信用を得るために自分がハグリッドをつかまえたシーンを見せたというわけです。これでハリーの信用が得られるのか私は疑問に思いましたが、ともかく秘密に迫るようなものを示せば信用が得られるということでしょう。
リドルはハグリッドが無実だと知りつつ型にはめたのでした。ディペット先生たちは自分の味方をしてくれるだろうと予想して。実際、ダンブルドア先生を除いて、リドルの計画通りに進みました。しかしダンブルドア先生がリドルを疑っていたので、表立った行動ができず、日記に自分の記憶を保存して学校を去ったということです。
このようにしてハリーの信用を得ていたリドルですが、次に日記を書いたのがジニーだったのでがっかりしました。しかしすぐに軌道修正して、親友(ハーマイオニー)を襲い、ジニー自ら地下の秘密の部屋に来て、ハリーをまつことにしました。ジニーはリドルが次のような状態になるほど魂を日記に注ぎすぎました。
Enough to let me leave its pages at last.
この意味が私はずっとわからず、日本語訳を参照してようやく謎がとけました。「とうとう(日記の)ページを抜け出せるくらいに」です。leaveの使い方は難しいです。
リドルが実はヴォルデモートであるとハリーは聞かされます。衝撃を受けながらも、ダンブルドア先生のほうがすごいと言い返します。これにはリドルも動揺したようで、Dumbledore’s been driven out of this castle by the mere memory of me!(ダンブルドアは僕のただの記憶にこの城を追われたじゃないか!)と叫びます。ここで冷静に考えるとダンブルドア先生を追い出したのはドラコの父親であるルシウス・マルフォイであり、こう言うということはリドルと裏でつながっていたことが推認されます。
そうこうしているうちに奇妙な音楽が聞こえ出しました。フェニックスです。組み分け帽を持ってきてくれました。しかしそれらをどう使ってよいものやらわからないので、ハリーが不利なことに変わりありません。ハリーはリドルがジニーの力を吸い取りつつあることを冷静に観察し、早く対峙したほうがよいと判断します。
リドルは自ら戦わず、バジリスクを呼び出します。ハリーは目を閉じて逃げまわりますが追い詰められてしまいます。もう終わりかと思ったところでフェニックスが助けてくれました。このあたりの描写は臨場感があるので機会があれば原文に当たってみてください。
というところで今回はおしまいです。