高木です。
このクラスも、今日を含めて残すところあと四回となってしまいました。
朗読する詩は、このクラスのはじまり頃に読んだものを、もう一度選んでいこうと思います。
今日は、中原中也の「この小児」。
コボルト空(ぞら)にゆきかえば、
野に / 蒼白(そうはく)の / この小児。
黒雲(くろくも)空にすじ引けば、
この小児 / しぼる涙は / 銀の液……
地球が二つに割れればいい、
そして片方は洋行すればいい、
すれば私はもう片方にこしかけて
青空をばかり――
花崗(かこう)の巌(いわお)や / 浜の空
み寺(でら)の屋根や / 海の果て……
今日はT君が遅れていたので、M君と二人でクラスをはじめました。かつて朗読したとき(5/27)と比べて、M君の朗読は格段に上達し、より言葉のリズムを意識してくれています。M君は朗読する前に「この詩、おぼえてる?」とM君に尋ねたら、彼は詩を見て「う〜ん、おぼえてないかも」と言います。しかし、朗読しているうちに、「あ! これ読んだことある」とM君。詩を音として覚えてくれているのです。自転車の乗り方を忘れないように、こうした記憶は色褪せにくいものです。朗読に取り組んできて良かったと思えた瞬間でした。
今日は「水」「川」「州」「永」「泳」をとりあげました。いずれも、流水の形です。
自分で成り立ちを考えてみる「チャレンジ」で、M君は「派」について考えてくれました。
なかなか分かりません。しかし「答え」にたどり着くことだけが大切なのでもありません。
いろいろと想像をめぐらすことで、その文字に特別な印象を持てれば、それでいいと思っています。
ちなみに「派」は、上から下へ水流が派生し拡がっていく形です。
ひみつ道具作りでは、M君は非常に緻密な作品を創ってくれていました。まだ完成にいたっていないので、内容については来週書こうと思います。
このひみつ道具作りの途中で、T君が遅れて来られました。
ひみつ道具作りに取り組んでもらおうと思っていたのですが、今日の取り組みのプリント(中也の詩、「水」の成り立ち)を一応お渡しすると、T君は自分が遅れてきた分を取り戻そうとするかのように、詩を読んで、漢字の成り立ちを考えてくれました。
残り時間は20分を切っていたと思いますが、いろいろと私に質問をしつつ、非常に集中して取り組んでおられました。
彼の真摯さに、なんだか胸を打たれました。
>「あ! これ読んだことある」
先生としてこの台詞を聞くとうれしくなりますね。毎回、よくぞここまで新しい詩を次から次へと紹介してくださるものだ、と感心していましたが、一方で、このように、以前にいっしょに読んだ詩を復習されるのですね。小学校の子どもたちと詩との出会いは貴重ですね。ブログで披露してくださるお取り組みの一つ一つは、男の子は詩は苦手なのではないかという私の偏見を見事に打ち砕いてくれました。