高木です。
今日朗読したのは、金子みすずの「浜の石」です。
浜辺の石は玉のよう、 / みんなまるくてすべっこい。
浜辺の石は飛び魚か、 / 投げればさっと波を切る。
浜辺の石は唄うたい、 / 波といちにち唄ってる。
ひとつびとつの浜の石、 / みんなかわいい石だけど、
浜辺の石は偉い石、 / 皆して海をかかえてる。
それぞれが朗読した後、一度だけですが、みんなで声を合わせて朗読しました。途中でだれかが詰まると、もう一度そこからになるのですが、一人で朗読するときとはまた違った心地良さがありました。
意味を確認するときに、「飛び魚」の説明をしていると、R君が助けてくれました。R君は飛び魚に詳しく、飛び魚が飛ぶのは天敵から逃げるためだとか、その天敵は水面の反射光で飛び魚を見失ってしまうとか、いろいろなことを教えてくれました。Y君と私は、ものしりR君の授業を受けます。これまでもそうでしたが、詩の朗読のときに耳慣れないものが出てくると、R君はときどき先生になります。
また、Y君はY君で、先週の「八百やのおっちゃん」のように、また詩を書いて、それをためて本にしたい、と言います。Y君はとくに、自分の文章を「作品」として大切に考えています。「本にしたい」というのは、そのあらわれだと思います。(このブログに作品を載せるのも、Y君自身の要望でもあります。)
それで、詩の朗読のあとは、今日も作文に取り組みました。
R君は、今日は「荒れ狂う湖」というタイトルで、「第二章」を書いてくれていました。
「愛知きょじん」と「新潟ホワイトタイガー」と「長野ザイ」の三つ巴の戦いです。
冒頭は、前回の「兵庫らくだ」が、海底に沈んでいく音の記述から始まります(それぞれの動物は都道府県=「島」でもあるので、敗れると沈みます)。
そしてその音と連動するように、「愛知きょじん」たちのやってくる音が響いてきます。壮大な戦いを予感させます。
Y君は、詩を書いてくれました。
ドラエモンはなにやってもおかしくない
Y
ドラエモンの顔に、しわは136だよ。
おかしいな。
おかしくない、おかしくない、
それにしても ドラミちゃんに教えてあげるよ。
いやー やめて。
それじゃあ だい二しょう。
ドラエモンが、ホッキョクグマに、かまれたら
ゲラゲラゲタ。
おかしくない、おかしくない。
それじゃあ だい三しょう
ドラエモンが、やせたら、あ、いいね。
でもリバウンドした。
ドテテ ちょっとぜんぜんわらえない。
それじゃあ だい四しょう。
ドラエモンが、ちょうでかいロボットを、つくったんだって 5mだよ。
うわっ すごいね いいんじゃん プンプクプーン。
でも、のび太のせいで、くずれました。
なんだそれ、いみないじゃん
つづく
句読点の抜け落ちや、文法の乱れ、口語の混在など、直すべきところはありますが、前回の作品と同様、Y君の詩には、ユーモアのセンスが満ちています。もしもドラえもんにしわがあったら、もしもドラえもんがやせていたら…。「もしも」は想像力の源です。
最後はいつものように、絵本を読みました。『バムとケロのおかいもの』です。
これは、このクラスで去年の四月に読みました。読みながら懐かしく、また当時は見落としていた小さな描き込みに気づいたりしました。
二人共、ユニークな活動にエンジン全開ですね。大人になるにつれ、文章で表現するにも、いろいろな気遣いが増えてきますが、この時期の子供たちにはこわいものなし!いけるところまで、アクセルを床までふんで、突っ走ってほしいです。