福西です。
俳句の題材を探しに少し外に出ました。私は上のモミジを見に行こうと思ったのですが、「今日は下に行きたい!」というので、山道を下って行きました。細い竹、松ぼっくり、松かさがクルクルと舞うことや、見上げたモクレンの枝が、幽霊の手のように不気味に感じられたことなどが目に入ってきました。
部屋に戻ってからも、オレンジ色に沈む夕日がきれいだったことで、しばらくみんなで見とれました。一人は、それを「たまごのようだ」と感じて、さっそく俳句にしたためていました。
秋学期は、俳句作りがブームです。
俳句を入れるためのはがき入れを渡してあるのですが、その袋が埋まっていくことに楽しみが出てきているようです。特に男の子は、そういう「集める」ことが好きですね。
M君は、春学期から作っていた分も合わせて、すでに袋がいっぱいになっています。それで、「2冊目をあげようか?」と言っているのですが、「いや、ぼくはこの1冊に全部まとめて、もっと分厚くなっていくのがいいんや」と言っています。その時の自分の気持ちが、思い出になればいいなと思います。
風景だけでなく、自分の体験を書くこともまた、日記をつけるようなよさがあります。今日おなかがすごくすいているのはなぜかという話(学校の給食のこと)や、先週に学芸会があったことも話題にのぼりました。
本当は、一度回収して、みんなの俳句をタイプして保存したいのですが、生徒たちからは、「まだ、持ってたいから、だめ!」と言われています(笑)。ですので、ここでの句のご紹介も、機が熟してからにしたいと思います。
「ぼく、ジュゲム言えるで!」という生徒が先週いたので、『寿限無』(斎藤孝・工藤ノリコ、ほるぷ出版)という絵本を読みました。(実は私も早口で言えるので、得意だったりします。)
そのあと、落語つながりで、『しにがみさん』(野村たかあき、教育画劇)という絵本を読みました。(先週は同じく落語の『そば清』を読みました)。
原題は『死神』という落語です。
(ただ、この落語にも、元ネタがあるそうで、wikipediaを見て私も初めて知りました。>『死神』)
前半は、ある貧乏な男が、死神から、不思議な眼力を授かります。「病人の枕元に死神が座っていれば、その病人は寿命、足元にいれば助かる」ということが分かる能力です。それで男は、死神の勧めのまま、医者になって一儲けします。しかし男は、つい欲に目がくらんでしまい、死神が枕元にいるケースの病人も、とんちを使って助けてしまいます。
そのため、後半、男は死神に手をひかれ、ろうそくがたくさん立っている場所へと連れて行かれることになります。そして、「お前の寿命はこれだ」と言って、今にも消えそうな短いろうそくを示されます。 そして、チャンスとして、もう一つのろうそくに継ぎ火をすることを許されるのですが…。
絵本の方では、風邪をひいていることが「仕込みオチ」になっていました。
なかなかゾッとするようなお話で、1、2年生にはインパクトがあったのではないかと思います。また、ろうそくのイメージは、どこかで見聞きしたことがあるかもしれません。(「テレビで見たことがある」と言う生徒もいました)。
落語は、私も好物なので、また他の作品も読む機会があればいいなと思います。
(あと個人的に、死者をよみがえらせたことで罰を受けたという、アスクレピオースという医者の話をふと連想しました。)