福西です。
『びりっかすの神さま』(岡田淳、偕成社)を読んでいます。
「3 びりっかす」を読みました。
始は、透明な小人を見る条件が「クラスでびりになること」だと知り、競争があるたびに、わざとびりになります。
というのも、小人ともっと話がしたくなったからです。
そして、小人の生い立ちを知ります。最近のクラスの「雰囲気」の中から生まれたのだと。
──からだができたのは、そのすぐあとの休み時間だった。坂本浩一って子が、机のあいだをとおろうとした。そこにみゆきがいて、じゃまになった。浩一は、わざと教室じゅうにきこえるような声でいったんだ。『道をあけろよ、びりっかす』とな。教室にいた連中の、すくなくとも半分はわらった。そしてそのとたん、おれにはこんなからだができあがっていたってわけさ。
そして、透明の小人は、自分のことを「びりっかす」だと名乗るのでした。
びりっかすとの会話中、始の様子をうかがっている子がいました。
みゆきでした。彼女は、始が転校してくるまで、クラスでたいていびりになっていた子です。その彼女が、いまはびりである始のことを心配して、気にかけているのでした。
次の俳句を紹介しました。
大綿のさもやはらかに当りくる 長谷川 櫂
大綿は、綿虫のこと。初冬の季語です。