「びりっかすの神さま」を読む(ことば3~4年2021/11/30)

福西です。

『びりっかすの神さま』(岡田淳、偕成社)を読んでいます。

「3 びりっかす」を読みました。

始は、透明な小人を見る条件が「クラスでびりになること」だと知り、競争があるたびに、わざとびりになります。

というのも、小人ともっと話がしたくなったからです。

そして、小人の生い立ちを知ります。最近のクラスの「雰囲気」の中から生まれたのだと。

──からだができたのは、そのすぐあとの休み時間だった。坂本浩一って子が、机のあいだをとおろうとした。そこにみゆきがいて、じゃまになった。浩一は、わざと教室じゅうにきこえるような声でいったんだ。『道をあけろよ、びりっかす』とな。教室にいた連中の、すくなくとも半分はわらった。そしてそのとたん、おれにはこんなからだができあがっていたってわけさ。

そして、透明の小人は、自分のことを「びりっかす」だと名乗るのでした。

びりっかすとの会話中、始の様子をうかがっている子がいました。

みゆきでした。彼女は、始が転校してくるまで、クラスでたいていびりになっていた子です。その彼女が、いまはびりである始のことを心配して、気にかけているのでした。

 

次の俳句を紹介しました。

大綿のさもやはらかに当りくる  長谷川 櫂

大綿は、綿虫のこと。初冬の季語です。