11/9 歴史入門(高校)

岸本です。

今回は、16世紀末から17世紀前半の「絶対王政」とイギリスのピューリタン革命について議論していきました。

前回はスペイン、オランダ、イギリスとみてきましたので、今回はフランスから話を始めました。
イタリア戦争やユグノー戦争を通して、絶対王政の基礎を築いたフランスは、新たに成立したブルボン家の下、その最盛期を謳歌します。
ルイ13世は宰相リシュリューと共に、三部会を停止し、三十年戦争で新教側に立ちました。
その後、ルイ14世の下で頂点を迎えたフランスですが、次第にその絶対王政が歪みを生じ、フランス革命で破綻するのです。
そのフランスが近世ヨーロッパの最強国となった契機は、三十年戦争でした。
契機はボヘミアの宗教問題でしたが、フランスの新教国側への参戦から政治的な対立が明確化しました。
三十年戦争はウェストファリア条約で終結し、それによってアウグスブルクの和議の原則の確認、ドイツの分立、スイス・オランダの独立承認などが決まりました。
これによって、ヨーロッパでの主権国家体制が確立します。

後半は、その主権国家がそれぞれどのような歩みをたどったのかを見ていきました。
共通する特徴として、重商主義の推進、資本主義経済の発展、植民地の獲得などがあります。
重商主義の解説の際、生徒さんからTPPが話題に出ました。
確かに、貿易差額主義や産業保護主義は、TPP反対派の唱える考えに通ずるものがあります。
他方で、関税の撤廃が統合に役立った例としては、ドイツの統一があるでしょう。
私も経済の専門家ではないので、TPPの話題に結論を出すことはできませんが、参加するにしろしないにしろ、過去に似たような状況が見られたこと、その際の先人たちの対処法を参考にすることが、歴史を学ぶことによってできるのです。
私たちは、未来を見通すことができる「神」ではありませんが、歴史という道具を使える「人間」であることは幸福だと私は思います。

生徒さんとの面白い議論の後、イギリスのピューリタン革命を見ていきました。
その背景と経緯を確認していき、王政復古のところで時間となりました。
来週は名誉革命を解説したあと、フランスやプロイセン、オーストリア、ロシアなどを見ていくつもりです。
次回も面白い議論ができることを楽しみにしています。