7/11 歴史入門(高校)

岸本です。

春学期も今回で最後となります。

今日は、冷戦の「雪どけ」と、その各陣営への影響、そして第三世界の形成を議論していきました。

 

スターリンの死後、フルシチョフが行ったスターリン批判と平和共存政策から、冷戦の「雪どけ」は始まりました。

しかし、コミンフォルムの解散やアメリカ大統領との会談を行う一方で、大陸間弾道ミサイルの開発を行うなど、ソ連の姿勢はダブル・スタンダードでもありました。

その姿勢は、東欧での革命に対するソ連の介入にも見られました。

社会主義圏からの脱退を図ったハンガリーの革命に武力介入して、その革命政府を倒したのです。

このダブル・スタンダードからは、「雪どけ」が決して冷戦の根本的な解決ではなかったことが示されるでしょう。

生徒さんは、何故ソ連が方針転換を行ったのか、その原因に興味を持っていました。

それ以前のスターリンの独裁と絡めて、その原因を議論していきました。

 

他方で、西側陣営でも「雪どけ」を受けて、日本がソ連の承認を受けて国連に加盟するといった変化がありました。

欧州では、フランスや西ドイツを中心に経済的統合が進み、それは欧州共同体の成立につながります。

しかし、それを主導したフランスは資本主義陣営に属しながら、ド=ゴール大統領の下で、独自路線を歩むのです。

さらに、こうした東西陣営に巻き込まれることを恐れた、アジアやアフリカの人々は、バンドン会議を開いて、どちらにも属さない第三勢力として、積極的な中立政策をとることになります。

戦後すぐは米ソの二強でしたが、ここにおいて様々な路線が登場し、世界の情勢は多様に、さらに複雑になっていきます。

その過程は、また秋学期にみていきたいと考えています。