0108 山の学校ゼミ(倫理)

浅野です。

 

今回からイスラム教を見ることにしました。ちょうど時事ニュースとしてもイスラム教が気になるときでした。

 

まず簡単にイスラム教成立の経緯を確認した後に、『クルアーン(コーラン)』の解説書(本文)をいくつか読みました。『クルアーン』はアラビア語で読誦するところに意義があって、日本語に翻訳することなどできないので、あくまでも解説書です。今はインターネットがあるので、アラビア語での読誦の雰囲気を味わうこともできました。

 

内容の特徴としては、とにかくアッラー(神)が偉大だということ、孤児が大切にされ商人用語が多用されるなど、ムハンマドの環境が影響しているように思えること、食べ物などの決まりは意外に緩やかであること、ユダヤ教やキリスト教の聖書に見られる話が踏襲されていることなどを確認しました。

 

現代ではイスラム教とテロが結び付けられることが多いですが、その根拠となりそうなのは次の一節です。

 

信仰する者、移住した者、またアッラーの道のために財産と生命を捧げて奮闘努力した者は、アッラーの御許においては最高の位階にあり、至上の幸福を成就する。(悔悟章(アッ・タウバ)20節)

はっきりとテロを称揚しているわけではなく、「アッラーの道のために財産と生命を捧げて奮闘努力」の部分の解釈次第ではテロを正当化する根拠となり得るというくらいです。こうした一節があるのも、メッカとメディナを移動しながら他宗教と戦ってきたというイスラム教成立の経緯と深く関わっていることでしょう。

 

次週も続いて『クルアーン』の内容を見る予定です。