浅野です。
アリストテレスがヒットしました。
ソクラテス、プラトンに引き続き、今回はアリストテレスに注目しました。
『形而上学』では四原因や論理学の部分を紹介すると、今でも通用する議論だと驚嘆されました。
『ニコマコス倫理学』では、人生の目的(幸福)、中庸、正義、観想活動、友愛といったテーマを本の順番に概説しました。すると受講生は大いに賛同できると言いました。ソクラテスやプラトンを紹介したときは、「わからなくはないけれど…」という感想だったので、自分の考えはアリストテレスに近いということです。
ソクラテス・プラトンとアリストテレスの対立点はいくつかあります。よく言われるのは理想主義対現実主義です。そのあたりのことを、ソクラテスは変人、プラトンはそのソクラテスが大好き、アリストテレスは常識人と受講生がまとめてくれました。国制に関しては子どもや財産の共有対非共有という軸になります。「知があれば自分にとって悪い行動はしない」対「行動に結びつく知もあればそうではない知もある」といった対立軸もあれば、芸術に関して「模倣の模倣(イデアを模倣した現実を模倣した芸術)なのでよくない」対「カタルシスなどの効果もあり悪いものではない」という論点もあります。
現代の日本の若者の心を捉えるなんてアリストテレスがいかにすごいかを思い知りました。