1118 山の学校ゼミ(調査研究)

浅野です。

3月に予定している発表原稿の作成を続けました。

第1部で社会学的な考察をしたので、いよいよ第2部では小説の話題に入りました。近代、近代と現代の間、現代(動物的)、現代(人間的)と4つに第1部で分けたのを、それぞれ狭義の小説(私小説)、村上春樹さんの小説、ハーレム系のライトノベル、ファンタジー系のライトノベルに対応させています。そしてそれぞれの小説の特徴が順に、ひとつ(統一性)、あえて、ベタ、さめたです。

このように整理すると村上春樹さんの小説に対する理解が深まったように私は感じました。狭義の小説(私小説)という体裁をかろうじて維持しながらも、複数の人物の視点を導入することで多様な世界観を提示してそれらをさめた目で並列に捉えつつ、ハーレム的な要素で物語を駆動させ、あえて一つの物語にまとめあげているのです。このように考えると村上春樹さんの作品があまりドラマ化されていないのも頷けます。ライトノベルに近づけば近づくほど虚構度が増しアニメ化はできてもドラマ化が難しくなるからです。