家にあった東浩紀『ゲーム的リアリズムの誕生~動物化するポストモダン2』を読み返してみると、このクラスで話してきたことと予想以上に近かったので驚きました。
ライトノベルはジャンル小説ではなく新しい小説のあり方であるということ、そして私小説が現実の写生であるならライトノベルは虚構の写生であるということなどがこの本に書かれていました。受講生の方がこの本を読んでどう思うか聞いてみたいものです。
このこととも関係するかもしれませんが、後に残らないような小説が好きだという話になりました。自分の生き方が問われるような小説よりも軽く読める小説が好きだということなのだと思います。
後に残らないような小説が好きだということは、友人たちとメールをするのが好きだということとも異なります。前者は第三者の位置から俯瞰的に事象を眺めるのに対し、後者では自分が事象に巻き込まれることになります。後に残らないような小説を読むということは、強いて言うならファミレスや電車の中で人々の会話に耳を傾けることに近いかもしれません。
このような論を進めるとつかみどころがなくなってくるので、既存の言論にうまく接続したいところです。