0304 調査研究入門

冬休みに発表を行ったので、今は新しい考えを取り入れる時期です。泉子・K. メイナード『ライトノベル表現論: 会話・創造・遊びのディスコースの考察』(明治書院、2012)を参照しました。

この本はこのクラスでしようと思っていたことにかなり近いです。ライトノベルの特徴的な表現を集めてそれを分析するというものです。やはり私たちが参照してきた東浩紀さんなどが引用されていますし、擬音語、笑い、他作品への言及やパロディーなどが取り上げられています。

 

その本の内容から、「見るー見られる」ということについて詳しく話しました。言表行為の私(I)と言表内容の私(me)を区別するという話とも重なります。「私はうそつきである」という命題が矛盾しているように聞こえるのは言表行為の私と言表内容の私とを混同しているからである、などと説明されたりもします。

 

さらにこの「見るー見られる」はジェンダーということにも関わります。大学などでミスコンはよくされるのにその男性版はそもそも適切な名称すらないといった観点です。

 

理屈としても、また政治的にも難しい問題ですが、論点はしっかりと伝わったようでした。