0531 山の学校ゼミ(調査研究)

浅野直樹です。

 

8月に予定している発表会のタイトルと概要が決まりました。

 

<タイトル>

「西尾維新から考える多元的社会との付き合い方」

 

<概要>

 社会学者の大澤真幸は現代を理想の時代と虚構の時代を経た不可能性の時代と称した。彼によると「理想」「虚構」「不可能性」は現実の対義語である。
 本発表では、現実とは共通認識を実感することにより構成されていると考え、それぞれの時代の共通認識のありようについて考察した。次に、共通認識を実感しづらくなっている現代において、それでも共通認識があると確信し他人にも同じ価値観を強要する一元型、共通認識を実感することができない状況に甘んじている多元開き直り型という問題が生じているのではないかと分析した。こうした状況をふまえ、その場その場で臨機応変にコミュニケーションを通じて共通認識を作り出そうとする立場として、多元バランス型を提唱する。これは西尾維新の作品に通底する類型であり、自分の意見や思いを価値観の異なる他者に伝え合うことによってより良い共通認識を作り出そうとする立場である。

 

正式な告知は追い追い行う予定です。