5/18 ことば6年生

高木です。

今日も『ガリバー旅行記』の朗読を進めました。
グラブラブドリッブ島からラグナグ島へと移ったガリバーは、
ラグナグ国王との奇妙な謁見の後、ストラルドブラグという不死の人に出会います。

永遠の命をもつストラルドブラグは、非常に恵まれた幸福な人間だと、ガリバーは思い込みます。
永遠に生き続けられるのだから、やがては大金持ちになり、大学者になれる。
生き字引となり、あらゆる文化文明の光芒を目の当たりにできる。
なにより「死の絶えざる恐怖が精神にもたらす暗澹たる重圧感を感ずることもなく、
心を常に何の屈託もなく自由に遊ばせること」ができる。
しかしそのようなガリバーの想像は、当のストラルドブラグたちによって一笑に付されます。
「問題は、繁栄と健康に恵まれて血気盛んな青春の日々を、永久におくることを願うかどうか、ではなく、
老齢ともなれば必ずつき纏うさまざまな不幸のさなかにあって、長寿をどう生き抜いてゆくか、である。」
ガリバーはここで、死ぬことのできない人間がどのようにして頽落していくかを知ります。
そして、死というものの存在こそが、生に希望と輝きを与えるのだということを悟ります。

もしも永遠の命があれば、とは、誰もが一度は想像してみることです。
今回の話は少し難しかったのですが、それでも、こうした「もしも」の魅力からか、
H君とM君は熱心に朗読をし、私の話を聞いてくれました。
今は、こうしたガリバーのメッセージが、彼らの心の片すみに残るだけで、良いのだと思います。
朗読のあとM君は、ガリバーが次に向かうのが日本であることを知り、
「あ〜、早く読みたい!」と言っていました。

朗読の後は、いつものように、筆写に取り組んで、そして創作を進めました。
H君は今日、『ガリバー旅行記』の続編のうちの一章分を書き上げました!
その名も「地中の城」。とてもわくわくするタイトルです。
書き上げた直後に、「まだ続きの章も書きます!」と言ってくれました。
内容は、全編が完成してから、ご紹介したいと思います。
H君は、じっくりアイデアを練りながら、こつこつと魅力的な物語を綴っていくタイプです。
すでに第二章に移っているM君も含めて、彼らの創作をどこまでも応援していこうと思います。