5/21 ことば4〜6年生

高木です。

今日は学校の行事などでKちゃんとJちゃんとHちゃんがお休みで、
みんな少し寂しそうでしたが、
物語を書く手がリズムに乗ってくると、クラスは熱気に包まれていきました。

Mちゃんは物語を進めるにつれて、
当初は予定していなかった新しいキャラクターを追加しているようでした。
物語を書くことの良いところは、それを書くまで、
物語がどのように進んでいくか、ほんとうのところは、作者にも分からないということです。
逆に、最初から最後まで全て分かり切っていて、それを計画どおりに書くだけでは、
物語を書くことの楽しみは半減してしまうでしょう。
書きながら、自分のなかの深いところにあるものをするすると引っ張りだしてくること、
自分で自分のなかから出てきたものに驚けることが、創作の才能であり醍醐味だと思います。
基本的にMちゃんは、登場人物の数や物語の文脈をわりときっちりと保つタイプです。
今日も、数ページ前の自分の文章をときおり見返しながら、物語を書いておられました。
物語の文脈を守り、そこから新たに書き継いでいくことは、創作の王道とも言えます。
そして、そうしたこつこつとした執筆があるからこそ、
予期しない展開が精彩を放つのだと思います。
Mちゃんの物語がどのように展開していくのか、私も楽しみにしています。

いつも授業の冒頭に取り組んでいる、言葉を二つ選んでくっつけてイメージを膨らませる遊びでは、
今日もおもしろい物語のタネが生まれているようでした。
今日は前回からまたもう一段進めて、
最初に言葉を3つ選んで、そのなかから2つに絞り込むというプロセスを挿みました。

「“屋根裏”の中に“バイオリン”(がかくされている)」(Aちゃん)

屋根裏にバイオリンが隠されている、という状況は、ありえそうでありえない、面白い設定です。
Aちゃんの、なくしたバイオリンを探す音楽家の物語は、ミステリーの香りがして興味をそそります。

「“口笛”をふく“空きビン”」(Mちゃん)

空きビン「の」音を鳴らす、なら、これはごくありきたりのことですが、
空きビン「が」音を鳴らす(口笛を吹く)、という逆転の発想が、愉快なイメージを誘います。秀逸です。

「“四角形”の形をした“月”」(Rちゃん)

そう信じるものだけが「四角形の月」を見ることができる、という設定から、
「四角形の月」を見ることができた二人の女の子のハッピーエンドまでを、Rちゃんらしく優しくスケッチしてくれました。