福西です。『Dixit』という、絵札を使ったお話作りのゲームをしました。以前、手ごたえを感じ、今回が2回目です。
語り部(お話を作る人)は、手持ちの一枚の絵札(真実の絵)から連想して一つのお話を作ります。それが物語られた後、聞き手は一人ずつ今のお話から想起される絵札を選び出します。つまり、語り部が出した「真実の絵」のほかに、それに似た「ニセの絵」が混ざることになります。その中から真実の絵を、投票によって当てるというのがゲームの大まかな進行です。「真実の絵」を当てる、または自分の出した「ニセの絵」に他の人が(間違えて)投票してくれると、点数になります。また、語り部もお話を作ったことで点数を得ます。
この手のゲームは、一人でもお話づくりを恥ずかしがったり、ムードに乗らない生徒がいると大して盛り上がりを見せないのですが、このクラスではそれが杞憂でした。とても楽しかったです。
(なお盛り上げるコツは、おそらくですが、語り部を「右回り」とかで固定しないことだと思います。挙手による任意制の方が、「俺も俺も」になってかえってみんなに順番がまわり、楽しめるようです。あとは進行役が記憶力の限りお話を復唱して、語り部を立てることです←語り部も、自分の耳で聞くことで、「そのように聞こえるのか」と客観的にお話を確認できます)
前回もそうでしたが、語り部には独特の人気がありました。「仲間の注目を集める」「皆が自分の話を聞いてくれる」というゲームの中心に立てる心地よさがあるのでしょう。順番待ちができ、うっかり抜かしてしまうと「ずるい!」と非難が飛ぶほどでした。特に、Rtaro君がずいぶんと気に入ってくれました。ゲームを通してですが、「自分を出す」ということに興味を持ってくれたのが、よかったなと思います。こうした何気ないところから少しずつステップアップして行って、いずれは作文や創作を書くことにつなげていければと思います。
P.S.
ちなみに勝敗では、Rhei君が一番で勝っていました。投票では全問、真実の絵札を当てていました。彼は、「これ」という決断力に富んでいるようです。また、なかなかの勝負師でもあります。自分がニセの絵を出すのが巧妙で、私も真剣にそれに引っかかりました。
また、長いお話を作るのでは、Mto君が名手です。彼の場合、絵札にあるイメージから、滔々とお話が育って行って、絵にない事柄も次々と登場していきます。自分から切ろうとしなければ、どこまでも続きそうです。それはそれは、羨ましい才能だなと思って、私も思わず聞き惚れました。