0617 高2英語

浅野です。

構文の学習は着々と進んでいます。今回は文法事項というよりは、実際に英文を読む際の技術に着目です。

In Switzerland I was a country doctor. At night, before I went back home, I would always go to visit my dying patients. There was nothing really you could do, medically speaking, but you could sit at their bedside and talk to them.

質問を受けたのは”There was nothing really you could do, medically speaking, but…”の箇所です。まず”medically speaking”は”generally speaking”(一般的に言えば)という表現の応用で、「医学的に言えば」という意味です。その前の箇所のどこが難しいのかというと、”really”があるために文の骨格が見えづらくなっているところです。”really”のような副詞はカッコに入れて無視すると構造が見えやすくなることが多々あります。ここでも”really”をとりあえず無視するように促すと、Yさんはすぐに気づきました。そう、”nothing”と”you”の間に目的格の”which”が省略されているのです。ここの部分だけを訳しておくと、「医学的に言えば、できることは本当に何もなかったけれども…」となります。

今回はもう一つ紹介しましょう。

Water always begins to boil when it is at a certain temperature, and this is called the boiling point of water. However, with a pressure-cooker it is possible to have ordinary water hotter than this point.

最後の”this poing”が何を指すのかと聞かれました。素直に読むならその前に出てくる”the boiling poing”と考えるよりほかはありません。おそらくYさんもまずはそのように考えた上で、水が沸点より熱くなるのはおかしいと判断したのでしょう。しかし実はそんなことが起こるのです。1気圧(大気圧)の下では水は100℃で沸騰し、その100℃が沸点と呼ばれますが、圧力を高めるとそれに打ち勝って蒸発するためにはより多くのエネルギーが必要になるので、100℃程度のエネルギーでは蒸発できない、つまり水の温度が100℃を超えるのです。英語というより化学の内容になってしまいました。

今回ここで取り上げた、副詞をカッコに入れることと背景知識を養うことは、どちらも実際の英文を読むためには非常に重要なことです。