浅野です。
ここしばらくは,受けた質問から英語のワンポイントアドバイスを紹介するコーナーのようになっていましたが,それを読んでくれているというお声をMさんからいただきました。もう一通り英語は理解できているという方は,説明する側のつもりで読んでいただいても新発見があるかもしれません。間違いや補足がありましたらよろしくお願いします。それでは今回も始めます。
You must finish this job (by / until) noon.
(あなたは正午までにこの仕事を終えなければならない。)
どちらも「~まで」という意味なので迷いますね。正解は”by”です。あえて訳し分けるなら”by”は「~までには」、”until”は「~までずっと」と区別するとわかりやすいです。言い換えると、”by”を使うときは一回の動作が、”until”を使うときは継続した状態あるということです。
Bob was in the hospital (during / for / while) a week.
(ボブは1週間入院した。)
今回はどれも「間」という意味になる語です。まず、”while”は接続詞なので後ろに主語と動詞がきます。”during”と”for”はどちらも前置詞ですが、それぞれが使われている場面をよく思い出すと、”during”の後は普通の名詞、”for”の後には具体的な期間の数字があるはずです。よってこの問題の場合は”for”です。
Our son will come back (after / in / within) a few hours.
(私たちの息子は数時間したら戻ってくるでしょう。)
これは難問です。どれもかなり似ています。”after”は「~後に」という意味ですが、過去の場合に用います。”in”は「~経ったら」で”within”は「~以内に」です。”within”の場合は1時間後に帰って来ようが、5分後に帰って来ようが構わないわけです。だからこの問題の場合は”in”が正解です。”in”はそもそも箱などの中というイメージなので、時間を箱に見立ててください。この文の場合ですと数時間という枠がしっかりと固まっているのです。だから「~以内に」ではなく「~経ったら」なのです。
Yさんは次の問題がよくわからないと質問してくれました。
Hand in this report by next Friday.という文を助動詞を用いて書き換えよ。
まず英文の意味がよくわからなかったようです。そこで、英語の文には基本的に動詞があるのだけれども、この文ではどれでしょうか、と問い返しました。すると自信なさげに動詞は”Hand”かなと答えてくれたので、それなら辞書で”hand”を引いてその動詞の項目を見てごらんと答えました。それだけですぐに理解してくれました。一を聞いて十を知るといった感じです。この文の意味は「次の金曜日までにこのレポートを提出しなさい。」で助動詞を用いて書き換えるなら”You must hand in this report by next Friday.”です。何度がこの記事でも書いていますが、Yさんには自分で辞書を引ける技術を身に付けてもらえたらなと思っております。
最後の問題で hand を引くというところにオチがあるわけです。ふつう hand なんか引かないです。それを引く人は10人に1人もいません。だから引くと、10人に1人しか得られない「何か」が得られます。ささいなことですが、自分流の勉強スタイルを確立するためには、意外にこのようなささいなことを実践するかどうかが鍵を握っています。
私もワンポイント(いやツーポインツ)。run は他動詞で「経営する」、stand も他動詞だと「我慢する」。どちらも中学で目にする単語ですが、今述べたことを「知っているよ」という人は少数派じゃないですか?(このブログの読者はいざしらず)。