高木です。
今年度からKentetsu先生と一緒に、
「しぜん」木曜日クラス(B)を担当させていただきます。
感じること、発見すること、探求することを大切に、
きらきらとした時間を共有していきたいです。
昨年度からこのクラスを継続されている2年生のM君とY君。
そして、新しく山の学校に入学した1年生のK君、Rちゃん、Yちゃん。
みんなそれぞれ、立派に自己紹介してくれました。
その後、最近みつけた「しぜん」について訊ねると、
M君は、「チョコの箱にテントウムシがおった!」と答えてくれました。
「どんなテントウムシ?」「ナナホシテントウ!」
身近なところに驚きはありますね。
テントウムシはやさしくお外へ逃がしてあげたそうです。
またY君は、昨年度のしぜんクラスでサワガニを探した思い出から、
「カニをみつけるのが好き!」と答えてくれました。
Y君は、石の裏に隠れているカニを見つける名人なのだそうです。
「こんなにちっちゃいのがいるんだよ」と、指で大きさを見せてくれました。
1年生のK君は、花の蜜を吸った体験を話してくれました。
「すごく甘くて…、でも甘くないのもある。むらさき色のは甘くなかった」
不思議ですね。どうして甘いのと甘くないのがあるのでしょうか。
いろんなお花でも、少しずつ、ためしてみたいですね!
Rちゃんも花の蜜を吸ったことがあるらしいのですが、
吸ったのは、自分の家の庭で育てたお花なのだそうです。甘さもひとしお、かな。
またRちゃんは、たくさんの赤ちゃんをお腹にかかえたダンゴムシを見つけたこともあるそうです。
「みんな白かった。1000(匹)は超えてた!」
Yちゃんは学校で飼っているうさぎが大好きなのだそうです。
茶色の上に白いブチ模様のある、「ココア」ちゃんです。
大きさをたずねると、「これくらい」と手で示してくれました。
ココアちゃんを大切に世話している様子が目に浮かびました。
こうしてみんなの発表から、普段から身近にしぜんに触れていることが分かりました。
そこで尋ねました。
しぜんを「感じる」とはどういうことでしょうか?
テントウムシ、サワガニ、ダンゴムシの赤ちゃんを、見つける。
花の蜜を、味わう。
ココアちゃんを、なでる。
実はみんな、すでに何気なくしぜんを感じています。
これから一年間、このクラスでしぜんをより深く感じていくために、
その「感じ方」に、少しだけ意識を向けてもらおうと思いました。
感じ方って、ほかにどんなものがあるでしょうか?
まっさきにK君が「かぜがふいている」と言ってくれました。
風を感じる。
見えないけれど、からだ全体で感じることによって、そこに風があることが分かりますね。
またM君は「鳥の声をきく」と言ってくれました。
音を感じる、のですね。
ちょうど教室の外でウグイスが鳴いていることを教えてくれました。
Rちゃんは、「ブタが鼻で土をほる」と言います。
ある種のブタは、土の中に埋まっているトリュフを嗅ぎ分けて探し出します。
見る、味わう、触る、聴く、嗅ぐ。
感じ方には、このようにいろいろな方法があることが分かりました。
ほかにももっとあるかもしれません。
普段は見ただけで何げなく通り過ぎてしまいそうなものも、
立ち止まって時間をかけてじっくり感じれば、
そこには思いがけない発見や美しさとの出会いが待っています。
感じること、発見すること、探求すること。
しぜんクラスのいちばん大事なところをみんなで確認し合った上で、
実際に外へ出て、しぜんを感じてもらうことにしました。
葉っぱにもいろんな形があるね。触ってみるとどんな感じかな?
こっちの葉っぱも触ってみよう。
お! 石のあいだにカタツムリのからを発見!
なんか上からぶら下がってる! ひっぱってみよう!
じゃーん! 不思議な形の枝を発見しました。
葉っぱの裏に茶色い水玉。「なんかざらざらする!」
たくさん面白い発見をしてくれたので、今回は石段の探索だけで時間が来てしまいました。
最後に、みんなで園庭に集まって、自分が発見したこと、感じたことの発表会をしました。
M君は、さっき見つけた裏がざらざらの葉を発表してくれました。
みんなで触っているうちに、茶色の点はこすると消える、という新発見が!
Y君は、きらきら光る、小さな虫のはねのようなものを見せてくれました。
「広いしぜんのなかから、目を凝らして、こんなに小さなものを発見するなんて、すごいね!」とKentetsu先生。
K君とYちゃんは、いろんな種類の葉っぱを集めてきてくれました。
Kentetsu先生のてのひらに乗り切らないほどに! 触ってみると、それぞれ感触がぜんぜん違いました。
Rちゃんが発表してくれたのは、かたつむりの殻にくるっと巻いた葉っぱ、それにモクレンの花びらでした。
見つけた不思議な枝も、Yちゃんが見つけたものと比べてみました。
「こっちはかたいけど、こっちは中が空洞になってる」
みんなとても面白い発見をしてくれました。
感覚を研ぎ澄ませて、「感じる」ことを存分に楽しんでくれた結果だと思います。
また、自分の感じたこと、発見したことを、
こうして立派に発表できることもまた、すばらしいことだと思いました。
帰り道、ちょうど桜が咲いていたので、花の蜜を分けてもらいました。
これから一年間、どうぞよろしくお願いします!