4/12しぜんA「感じて、あらわす。」

sDSCF5887.jpgおもしろい発見があったかな・・・?

しぜんクラス担当の梁川です。本年度もどうぞよろしくお願い致します。

メンバーも新たに始まったA(火曜)クラスの初回の模様です。

クラスの最初は、初顔合わせの仲間もいるので「自己紹介」をし、春休みのできごとや、すきなこと、これまでクラスでしてきた事などを思い出しながら語り合いました。

しぜんクラスで一番大切にしたいことは「感じる」ことです。
「感じる、ってどういうことでしょう?」
みんなに訊ねると、「手で(さわる)・・・?」とY君が答えてくれました。
それから皆で考え、口(あじわう)、耳(きく)、鼻(においをかぐ)、目(みる)の順に「五感」がそろいました。(「みる」は意外にも、なかなか出てきませんでした。それだけ「みる」ということが当たり前すぎるからなのかもしれません。クラスでは、ものすごい「みる」、の体験が待っているはずです。)まだ他にも「感じる」、はあるかもしれません。

そのように、感覚を働かせ、実際に感じて「発見する」ことが、このクラスでの「知る」ことの一歩目です。

さらにクラスでは、そのようにして知ったり、調べたりしたことを、「伝える」というところまでを目指します。
「伝えるためには、どうしたらよいでしょう?」
「・・・手紙?」とH君が答えてくれます。

そうです。書くことで、相手に伝えることができます。絵に描くこともよいです。
つまり「あらわす」ことです。

「気づいたこと、感じたことを、あらわす。一人5つ!」を目標にかかげ、「探検ファイル」を携えて、みんなで外へ出ました。
火曜クラスは、H君(3年)、Mちゃん(2年)、Nちゃん(4年)、初参加のY君(4年)の4人のなかまたちです。

まずは、石段周辺。
母屋の方へ降りていく最中、
「わあ・・・景色がきれい・・・!」
とHY君がつぶやきました。そうそう!それ、「感じたこと」です。
「こういうことでいいの?」
と訊ねるので、勿論、と答えます。
どうしてきれいだと感じたのかな?どんな風にきれいなのかな?それも表すことが出来れば、さらにいいね。そう伝えました。

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母屋の前までたどり着くと、眼下に満開の、モクレンの木。
「今日、登ってくるとき、気がついた?」
「気づかなかった・・・」
とMちゃんが笑います。来るとき、急いで駆けてきてくれたからです。でも今は違います。みんな、アンテナを立てているからです。

ふとモクレンの向こうの空を見やると、遠くにまるい気球がぽかんと浮かんでいました!
「わあ、気球だ!」
「よし、じゃあ、それも書き留めてね!」

再び石段を上がりながら、今度は「味覚」を感じてみよう、ということで、桜の木から、花を一輪ずつ分けてもらいました。
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花びらとがくをめくって、吸ってみると、「・・・あまい!」即座に書き留めます。
メープルシロップみたいにあまかった(HY)」

石段ではその他、「ひっつきむし」や「たんぽぽ」を見つけたり(M)、「とくちょうは、あかい3㎝くらいの葉がすごくつるつるしていました(N)」といった発見がありました。

いろいろな「さわる」の体験をしたついでに、「触らないほうがよいもの」もあることを示す、ちょうどよい例があったので、皆さんに紹介しました。「これ、なんだと思う?」
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「いきているのかな?」「木みたいだ・・・」様々に推測してもらったのち、これに関しては答えを伝えました。
これは、蛾(おそらくはカレハガの一種)の繭です。

よく見ると、表面に黒い毛が生えているのがわかります。これは、蛾の幼虫が繭をつくるとき、体の毛の一部が繭側に突き出るように移ったもので、もし触ると皮膚の表面にチクチクとくっつき、取るのに一苦労します。
2年前のクラスで、S君が花壇の土の上に落ちている、繭の抜け殻を何気なく指でつまみ上げ、そのような目に遭ってしまったことがありました。(非常に目立ちにくい「それ」を見つけた彼のアンテナも凄かったということになります。)
幸いこの幼虫の場合は毒も激痛もありませんが、中には手が腫れてしまうような毒をもつものもいるそうです。
これはあくまで希なケースなので、しぜんのものに触れることを怖がる必要はありませんが、「ケムシ」には安易にさわらない方がよい、ということを伝えておきました。

さて、園庭に上がっても発見は続きます。
・「昼なのにお月様がでている(H)(M)」
・「とてもはなびらの多いさくらを発見(N)」
「モクレンのつぼみ」と思われるものを発見してさわり、
・「とてもふしぎなかんじがした(N)」
・「かたくてやわらかい(HY)」
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最後は、秘密の森の中へ。昨年度つくった秘密基地まで行って返ってくるまでにも様々な発見がありました。

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・ある木について「まっすぐとなっている」、別の木について「ペンキをぬったみたい」という発見(HY)。面白い表現です。こうした発見は、仲間も同時に記録し、共有されます。

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秘密基地Aの周辺を散策・・・。      「えだのさきがまるまってた(H)」これ、何でしょう。
木に木がぐるぐるまきついていた。」「ねじれてる木があった。」など、他にも気になる形を発見したH君。
一方、同じ木でも「くさった木にはきのこがはえやすい」「きの皮がくさるとうすくなる(N)」など、気づくポイントは人それぞれです。

ぜんまいのようなくさがあった。そのさわったかんじは、」Mちゃんの記録はここで途切れています。よほど曰く言い難かったのでしょうか。次回、ぜひ教えて下さい^^

そろそろクラスも終わりの時間。
ウグイスの鳴く声に耳を澄ましながら、来た道を引き返しているとき、ふと振り返り、HY君が言いました。
この道は、どうやってできたのかな・・・。しぜんにできたのかな、だれかがつくったのかな。」 

こうしてクラスが終わり、みなさんの記録を見ると、「5つ」の目標を超え、多い人で10こ近くの発見が集まりました。次回はこれら一つ一つの発見が、どのように次の疑問や発見に繋がってゆくかを皆さんに示しながら、好奇心の芽を膨らませてゆけたらと思います。

sDSCF5897.jpg ただいまー