浅野です。
数学は前回に中1の範囲の基礎問題はほぼ終えてしまったので、おまけとして少しの問題にじっくりと取り組んでもらうことにしました。
古代ギリシャのディオファントス(A.D. 246~330)の墓石には次のような文が刻まれていたそうである。それをもとにしてディオファントスは何歳まで生きたかを求めよ。
「私は、一生の1/6 を少年として過ごし、その1/12 を青年として過ごし、その1/7 を独身で過ごしました。結婚して5年後に私の子供が生まれました。しかし,その子は私より4年前に、私の寿命の半分でこの世を去りました。さて私(ディオファントス)は何歳まで生きたのでしょうか?」
まず、「その1/12 を青年として過ごし」の「その」は何を指しているのかと質問されました。よい質問です。ここでは一生を指しています。そしてKさんは数直線をかいていろいろ計算をしていました。しかし数値がややこしいためかなかなか答えにたどり着きません。それでも数十分かけて何とか答えが求まりました。数え漏れがあったためにおかしなことになっていたのです。彼の努力の跡を画像にしたので下に貼り付けておきます。画質が悪いですが雰囲気は伝わると思います。
Oさんはこれまた有名な問題に挑戦しました。
各位の数の和が9で割り切れる整数は9で割り切れる。このことを3ケタの整数について証明せよ。
まずは3ケタの数を文字式で表す必要があります。最初は「abc」と表しても「a00+b0+c」と表してもうまくいかないと悩んでいました。そこまで考えてくれたならもう十分なので、こういう場合は「100a+10b+c」と表すとよいとこちらから助け舟を出しました。
ここからも大変です。Oさんは数十分考えてから、具体的な数字(198, 297など)で成り立つことは確かめられるのだけれども、それを文字式で一般化するやり方がわからないと言ってくれました。そこまで考えることができたことが大事です。最後にはこちらからそのやり方を教えることになりましたが、大いに頭を使ってくれたことだと思います。
やり甲斐のある問題ですね。私もやってみました(笑)。大人も、時間を忘れます。ギリシア人は、大の大人がこういう問題を楽しんでいたのですね。日本だと中学生が解いているわけです。贅沢なことです。奇しくも、4月からユークリッド幾何の授業がスタートします。亮馬先生には、大人がうらやましいと思うような授業を展開していただけると期待しています。