今回はこれまでにはあまりなかった論点が出されました。
調査研究の内容とも世間話ともつかない話をしているときに、素人がケータイサイトで小説を投稿して批評しあうということが盛んになされていると聞きました。昔なら同人誌という形で行っていたことが、インターネットの発達のおかげでやりやすくなったということでしょう。
この現象から、小説という分野が拡大していることや、作者と読者の距離が近くなっていることがわかります。また、出版社を通したプロの作品よりも、そうしたところに投稿される素人の作品のほうがむしろおもしろいということもあるようです。出版されるライトノベルであっても、作者の個性が強いという印象はあまりなく、作者と作品とが密接につながっているという近代的な前提を再考する余地がありそうです。
ケータイサイトということですと、いわゆる「ケータイ小説」と呼ばれる作品があります。しかしそれらはライトノベルとは雰囲気が異なります。そのあたりも整理できるとよいです。
ケータイやインターネットといったメディアはあくまでも形式的なことで作品の本質には関わりがないのか、それともそうしたメディアの変化が作品の本質をも規定しているのかという疑問にも答えたいです。
少し脱線してケータイやインターネットといったメディアの特性について調べてみてもよいかもしれません。