調べようとしているテーマについての知識が導入されたことで、問題意識が受講生の中に深く根付きつつあるように感じられます。
具体的な作品が前回に作り上げたライトノベルのマッピングのどこに位置づけられるかを考えました。そうしているうちに、ファンタジーは一つのジャンルというよりもライトノベルや児童文学に含まれる舞台設定だということに落ち着きました。
また、「パロディ」と「パクリ」はどう違うのか、という疑問が休みの日にふと思い浮かんだそうです。作者が自分なりのアレンジを加えているか否かでとりあえず区別されるとして、「パロディ」は「虚構」ということに大きく関わっています。
今回は榎本秋『ライトノベル文学論』(エヌティティ出版、2008)と新城カズマ『ライトノベル「超」入門』(ソフトバンククリエイティブ、2006)の内容をなぞりました。「ライトノベル」という語の起源、出版社の状況、ライトノベルの分類などです。これまでに仕入れた知識と重複する部分も多々ありました。
次回からはこれまでに考えたことをまとめつつ、いくつか作品を取り上げて論じる方向で進められたらと思います。
ヨーロッパの古典文学を例に取ると、パロディとパクリの連続です。先輩の作品への尊敬からそうするわけです。ただし、自分流の味付けも施しながら。日本の和歌にも「本歌取り」の伝統がありますが、それと似たようなものです。