福西です。
『新美南吉童話大全』(新美南吉、講談社)より、掌編の『二ひきの蛙』、『落とした一銭銅貨』、『かげ』を音読しました。(リンクを張っているのは青空文庫にあるものです)
前の二つはオチに救いがあり、後の一つは救いのない話です。どれが一番気に入ったかを生徒たちに尋ねてみると、その救いのない話だということでした(^^;)。
『かげ』は、カラスが月夜に自分の影と競争する話なのですが、カラスが必死になればなるほど影もまた必死になります。そして決勝点で「一緒だった…」といううめき声を残して、カラスは雪の上で力尽きます。誰も見ていない、永久に知られることのない(読者だけが知っている)カラスの奮闘を、どう評していいか分からないような、切ないお話でした。
さて、生徒たちの音読のスピードが上がってきたことを感じます。特に文のつながりを意識してくれています。そうして頭の中にイメージの火を灯しながら読めるようになると、これから読書がより楽しくなっていくでしょう。
逆にイメージ先行で言い間違いが見られるようになってきました。なるほど昔のように字を追いかけることに懸命だった頃にはなかった間違い方だと思いました。振り子のようですね。
後半は、漢字のおさらいをしました。一年生の漢字をほぼ網羅し、二年生の漢字を三分の一ほど見ました。