ことば1年

福西です。

最初10分ほど、先週作ってくれたみんなの俳句を一堂に集めて紹介しました。ここでは一句ずつ紹介します。

12月 まちどおしいな おしょうがつ Koちゃん
12がつ25日 サンタクロースが くるんだよ Ha君
クリスマス ツリーがきれいだ かざろう Syo君
お月さま さんたとともに やってくる。 No君
ゆきくれば きつねがいるよ もりのなか Ta君
ふゆの森 とぶゆきうさぎ はねまくる Yu君

代表でKoちゃんの句を講評すると、ふつうは12月と来れば「クリスマス」を連想するところで、「おしょうがつ」を持ってきているところに「あれっ」と思わせる俳味があります。12月後半に、クリスマス・お正月と連続で楽しみが続く、だれしも子供時代に一度は感じたことのあるワクワク感が「まちどおしいな」という表現に凝縮されており、そこに大人も子どもも共通の記憶が保存されていることを知ります。どこか安堵できる俳句です。他の俳句にも、ここでは書ききれませんが、それぞれ深い製作者の背景があります。

俳句の後は、おなじみ推理クイズをしました。

ともだちの家にあそびにいったとき、その家の庭に、

「きれいなビーだま」…2こ
「なまのニンジン」…いっぽん1本
「プラスチックのバケツ」…1こ
「おとうさんのえりまき」…いっぽん1本

が落ちていた。だれかが、わざと そこにおいたわけではないが、
そこに落ちているのには ちゃんとした げんいんがある。

それはどういうわけ?

「にんじんは腐っていましたか? 食べられますか?」(Ta君)
「いいえ、冷蔵庫から持ってきた新品です」
「そうか…、ぼくはてっきり、きのうバーベキューしてて、その落ちたのかなと思ったの。じゃあ、きのうパーティーをしていましたか?」
「パーティーではないです。でも、今言った<きのう>は大事な手がかりです。きのう何をしていたのでしょう? 何か、特別なことを─といっても、その日だけとは限りませんが─いつでもできるわけではないことをしていました」

「おまつりでしたか?」
「いいえ」

「クリスマスでしたか?」(No君)
「なるほど。さっきより近くなりました。クリスマスと相性がいいです。でもクリスマスでなくても問題は成り立ちます」

「おしょうがつとかでも?」
「はい。12月から2月ぐらいならありえます」

    *

「バケツは古いですか?」
「古くても新しくてもいいです」

「ビーだまは2こでなくても、5こでもいいですか?」(Koちゃん)
「はい。それでもたぶん大丈夫です」

「にんじんとかがほかのものになっても、できますか?」(Koちゃん)
「はい、たぶん」

「四つのものは、(たがいに)かんけいがありますか?」(Koちゃん)
「はい、非常にあります。合体します」

「合体? ロボットですか?」
「いいえ、でもその線です」

「それは未来のことですか?」
「いいえ」

「タイムマシンでやってきただれかがおいた?」
「いいえ」

「それは戦国時代とかむかしの話?」(Yu君)
「いいえ。今この時代の話です」

「ぼくらでもこの(問題の)主役になれますか?」(Ta君)
「はい。多分同じ状況を作ることはできると思います」

       *

「それは本当に落ちていましたか?」(Syo君)
「はい」

「その庭には穴があいていましたか?」(Syo君)
「いいえ。平らです」

「その家は、マンションですか?」(Syo君)
「そうですね…お庭のある一軒家でも、マンションの玄関先でも問題は成り立ちます」

「だれかがそこに投げ捨てた?」
「いいえ、投げ捨てたのではないです」

「どろぼうがおいた?」
「いいえ」

「風で飛んできた?」
「いいえ」

「えりまきは、ぬすまれたものですか?」
「いいえ、その家の子が持ってきました。でも、えりまきがぬれていたので、お父さんがあとで文句を言ったかもしれません」

「え、ぬれてたの?」
「あ! 今のは聞かなかったことに…^^」

「子どもがいたずらしましたか?」(Ta君)
「いいえ、でも、あそんでいたのは確かです」
「つまり、どんなあそびかってことをあてればいいってことやな」(Ta君)
「はい、その通りです」

「かぞくごっことか、おままごととかしていましたか?」(No君)
「いいえ。でもちょっとかすっています」

「おとなもあそぶことはありますか?」(Koちゃん)
「おとなでもする人はいると思います。でも子どものほうが多いです」

       *

「寒いときだった?」(Ha君)
「今、何と!?」
「寒いとき?」
「はい!そうです。寒かったんです」

「ということは、それは、寒いときとあったかいときの間のことですか?」(Yu君)
「なるほど。そのほうが答に近いですね。では、寒いのとあったかいのと、どういう順番でしょうか?」

「あったかい→さむいですか?」(No君)
「いいえ。ではないです」

「あ! さむい→あったかいの間の話ですか?」(Ha君)
「そう、そうです!」

「今日みたいな寒い日は、朝寒くて、昼間あったかくなるけど、そんなかんじですか?」(Yu君)
「はい、それと同じことです」

「あ、わかった、わかった! そのえりまきは、凍っていましたか?」(Syo君)
「どうかでしょうか、繊維の間の水滴が凍っていたことはあると思いますが…」

「でも、ぬれていたんやろ? えりまきはどろんこでしたか?」
「はい、すこし」

「雨がふっていましたか?」
「残念、雨ではないのです」

「わかった! 雪がふっていましたか?」(No君)
「はい、その通りです!」

「雪の中にうめましたか?」
「なるほど、そっちにいきましたか。いいえ」

「なだれとかで、すべって動いた?」(Syo君)
「残念。でも、元の場所から移動したというのは良い推理です。エベレスト山に貝殻があるのと似てますね。でもすべったわけではないです」

「あ、わかった!」
「ゆき○○○?」(NoかHa君)
「はい、そうです! でも、雪○○○が、どうなったからでしょうか?」

「えーと、○○したから!」
「そうです。じゃあ、みんなでどういう考えて」

 五分経過

「せーの、『ゆき○○○が○○して、それでにんじんとかがじめんにおちていたから』!」(全員)
「大正解!」

というわけで、今日もめでたしでした。みんな、なかなかの洞察力の持ち主です。そのことにY君がとっさに、「それで『三人寄れば文殊の知恵』なんやな。六人寄れば…えへへ、なんて言ったらいいかな」と、オチをつけてくれていました。

素話には、「濃い宇治茶がいっぱい<こわい>」で有名な『まんじゅうこわい』をしました。一年生たちは聞き上手で、また筋を知っている生徒でも、「そうそう」とあいづちをうってくれていました^^。それなので、この時間も一緒に楽しんでいます。

ネタは洋の東西隔週で、来週はまた『オデュッセイア』の続きを話そうと思います。