岸本です。
今年度最後のクラス、書き続けてきた物語の完成を目指して、子供さんは一生懸命に作文用紙に向かってくれました。
物語のテーマは音楽会で、主人公の琴音ちゃんと愛犬のチョコが、二日かけて音楽会を開くことになりました。
一日目は、緊張しながらも無事終えることが出来ましたが、その夜だれかに楽器をもっていかれてしまいました。
今回は、ここから始まります。
喧嘩していた動物たちですが、コアラの仲裁もあって、まずは森の周辺を探してみることになりました。
しかし、楽器は見つからず、二日目の音楽会は延期になってしまいます。
二日目に出演するはずだった動物たちの悲しさを、子供さんは「せっかく練習した成果を発揮できない」点と、「一日目に演奏できた動物がうらやましい」点から描いています。
それに対して、愛犬のチョコが「楽器が見つかったら、明日また音楽会を開こう」と提案し、ほかの動物も協力して陸海空をくまなく楽器を探すことになりました。
このあたりのやり取りは、動物たちの感情に共感できる良い場面ですね。
探す過程は、時間の関係もあり、省略せざるを得なかったのは残念ですが、楽器は海で見つかりました。
なんとラッコやペンギン、イルカが楽器を持ち出していたのです。
それは、「音楽会をやりたかったけど、一緒にやろうという勇気がなく、楽器を持ち出してしまった」からだそうで、ちゃんと謝ってくれました。
琴音ちゃんは「明日の音楽会をいっしょにやろう」と誘い、海の動物たちと仲直りしました。
楽器を持ち出した理由や琴音ちゃんの対応も、王道的展開で読んでいて気持ちがよくなりますね。
物語の一番の盛り上がりをきちんと考え、見事に描き切っていたと思います。
ただ、残念ながらここで時間が来てしまい、「三日目」の音楽会まで描くことはできませんでした。
面白い物語であるのは間違いありませんから、ぜひ続きを書いて、完成させてほしいものです。
完成版を読みたいと思うのは、私だけではないでしょうから。