ことば6年(かるた大会)

福西です。3/15の記録です。

 

この日は、6年生のクラスの最終日で、今までがんばって取り組んできた『百人一首』の成果をお披露目しようと、「かるた大会」を開きました。他の小学生たちにも呼びかけたところ、10名ほど集まってくれました。(2年生3人、3年生2人、4年生1人、6年生2人。途中参加2人)

競技かるた

ルールは競技かるたのものをいくぶん簡略化して、トーナメント形式で三回戦開きました。また1回戦で負けてしまった人たちは、敗者復活戦にエントリーしてもらいました。

 

本当は札は自陣と敵陣に25枚ずつ(計50枚)並べ、暗記時間を15分とるのが正式なのですが、ほぼ全員がはじめてということなので、1~2回戦は10枚ずつ、3回戦だけ15枚ずつにしてチャレンジしました。(暗記時間は5分としました)

 

本トーナメントの決勝戦は、6年生のO.E.ちゃんと2年生のT.H.ちゃんが札を取り合い、O.E.ちゃんが優勝しました。O.Eちゃんは上の句を50首近く(一字決まりは確実に)覚えて臨んでおり、それに対して、T.H.ちゃんはほとんどはじめてだったので、力の差があるのは、今回はやむを得ないところでした。しかしそのような「お姉ちゃん」のすごさが、これから憧れとなってくれればと思います。2年生のT.H.ちゃんも、お互いに覚えていない札では手の動きが早く、せいいっぱい健闘していました。

 

また敗者復活戦の方は、5年生のT.K.ちゃんと2年生のM.F.ちゃんが対面し、M.F.ちゃんが優勝しました。M.F.ちゃんは本トーナメントで、T.H.ちゃんに敗れての敗者復活のほうでのリベンジです。聞くところによると、「嵐吹く三室の山のもみじばは 龍田の川の錦なりけり」を得意札に覚えてきて臨んだそうです。幸い、今回読み札に選んだ40首のうちに含まれており、それが詠まれた瞬間、「あらし」で、勢いよく手を伸ばしていました。暗記時間に札の位置を確認していたのが功を奏し、その自信に満ちた姿が見る人の度肝を抜いていました。私が見たところでは、百発百中でした。

 

さて、4年生のT.K.ちゃんは、ことばのクラスでも百人一首を何度か経験したことがあり、優勝候補の一人でした。しかしT.Kちゃんがお手つきをしたこともあって、2年生のM.F.ちゃんが中盤あたりまでリードしていました。それでもT.K.ちゃんは持ち前の冷静さを発揮し、自陣の(手が届きやすい)札が多い状況をむしろメリットとして、3枚連取。さすが4年生の貫禄を見せ付けました。それで2年生のM.H.ちゃんの顔が一瞬、青ざめたかのようでした。

 

けれどもそんなときに、2年生のM.F.ちゃんは例の得意札を敵陣から抜いて、自信を回復。こうしてお互い一歩も譲らず、とうとう最後は、「両陣に1枚ずつ」という劇的な状況となりました。その間に、それまでの試合の終わった生徒たちも二人の戦いを観戦しに垣根を作って、大いに盛り上がりました。

 

4年生のT.K.ちゃんの陣には「ころもほすてふあまのかくやま」が、そして2年生のM.F.ちゃんの陣には、「みかさのやまにいでしつきかも」。(だったかと思います。うろ覚えですが…)

 

そして、運命の読み札は…

 

「はるすぎて夏きにけらししろたへの」

 

このときは、まだ両者手は動かず。二人ともこの歌のことは、まだ知らないのでした。そしてまわりの全員が熱い視線を向ける中、下の句の最初の字が詠まれての速さ勝負となりました。

 

「こ」

 

はいッ!

 

と、先に札をおさえた手の持ち主は、2年生のM.F.ちゃんでした。相手陣に手を伸ばしての、見事な「攻め」でした。4年生のT.K.ちゃんも、「ああ~」と声をあげて、笑みを見せつつも悔しそうに、負けを認めていました。

 

こうして、敗者復活トーナメントの方の優勝者が決まりました。とても見ごたえのある一戦で、みな口々に感想をのべていました。自分が札を取っていない時でも、楽しさが伝わったようでした。

 

というわけで、今回悔しかった人は、相手のすごさを目にやきつけて、「次はそうなってやろう!」と思ってください。そして今日取れた「会心の一枚」を胸にしまっておいて、次回のばねにしてください。また、嬉しかった人も、さらなる飛躍を期待しています。

 

今回、同じ6年生のO.E.ちゃんに途中敗れて残念だった6年生のK.M.ちゃんも、ぜひ中学になってもこうした会がまたあれば、エントリーしてリベンジを果たしてほしいと思います。待ってます。

 

P.S. 帰り道、M.H.ちゃんの弟であるT.君が、「はるすぎて」と言うと、「ころもほすちょうあまのかぐやま」とすっかり覚えてくれていたので、「なつきにけらし、しろたえの」と繰り返すこと数回、山を下りる間にはすっかり歌の全体を「耳」で覚えてくれていました。それがすごく頼もしいと感じ、もしかしたら来年の優勝候補かも!?と思ったのでした(^^)。