浅野です。
Lotzeの主張が詳細に検討される箇所を読みました。
Lotzeは思考に先立つ経験から出発することで超越論的な誤りを避けており、また偶然の一致(coincidence)と一貫性(coherence)とを区別することで経験がすべてだという純粋な経験論の誤りを避けているが、偶然の一致と一貫性との区別方法に問題があるのではないか、というのがデューイの議論です。デューイによると、経験の段階と思考の段階は異なるのに、Lotzeはそれをごちゃまぜにして矛盾しているとのことです。この批判を読むことで逆にLotzeの主張がよくわかった気がしました。